「いた!」
牧野さんと恩田姉妹の三人を見た瞬間、私は反射的に叫んでいた。宮田さんは、バールを持ち応戦しようとしていた牧野さんを押し退け恩田美奈に茶瓶を投げつけた。耳をつんざくような悲鳴をあげ、すぐさま逃げる恩田美奈。
「お姉ちゃんが……、お姉ちゃんが。先生……」
恩田理沙は泣きながら宮田さんにすがりついた。宮田さんは謝る牧野さんを仕方ないと慰め、私の方を向いた。
「理沙さんを頼む」
そう言って、彼は彼女を私に託し、恩田美奈の後を追った。
「宮田さん……」
私も、……追わなきゃ。
「理沙さんを頼みます」
私は未だ落ち込んでいる牧野さんに理沙さんを託し、宮田さんの後を追った。
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