長編 | ナノ


 私は屍人ノ巣にいた。真ん中の祭壇には美耶子ちゃんが横たわっていて、八尾さんが祝福の言葉を述べている。

「八尾さん! 止めて!」

この声、……私だ。拘束、されているのかな。体が動かない。

「こんなことしてどうなるって言うの!? あなたも……そして堕辰子も、救われない! 無意味なの!」

必死に叫ぶ私。しかし八尾さんは聞こえていないかのように儀式を進める。そして、オルガンの音が止まった時。八尾さんが静かに、厳かに言った。

「楽園の門が開かれる」

刹那、水鏡から出た炎が美耶子ちゃんの体を包み込む。現れた堕辰子を見て、私は狂ったように悲鳴をあげていた。



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -