小説 | ナノ

 TITLE:通信中
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 私は宇宙人。遠い遠い星から来たの。と、久々知くんに言っても「ふーん」で済まされてしまう。

「私、冥王星から来たの」

それでもめげずに繰り返せば、久々知くんは「じゃあさ、」と珍しく話を続けてくれた。嬉しい。

「宇宙に豆腐はあるのか?」

「ぴぴぽ。りるりぴぽ」

冥王星の簡単な言葉で返事をする。久々知くんに頬っぺたを引っ張られた。

「痛い」

「お前の頭の方が痛い」

「本当のことなんだよ」

どうして信じてくれないんだろう。宇宙には本当に生物も豆腐もあるのに。ああ、そうだ。きっと宇宙に来たことないからだ。それなら

「今度わたしが連れてってあげるよ。星を巡って、豆腐食べて、それから……」

バシン、久々知くんに頭を強く叩かれた。何するの。痛いよ。頭を押さえて文句を言おうとわたしが口を開く前に、久々知くんが開いた。

「そんなんだから友だちができないんだ」

真剣な顔だった。心配してくれてるんだ。嬉しい。でも、いいんだよ。

「わたしには久々知くんがいるもん」

だから久々知くん以外の誰に嫌われたっていいの。久々知くんに好かれてればいいの。
久々知くんはまたわたしの頬っぺたをつねった。その顔はどこか満足げ。でも痛いよ、頬っぺた。

「なまえの星の言葉で、好きって何て言うんだ?」

「好きはね、×××」

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