小説 | ナノ

 TITLE:エゴで世界を救います
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 喧嘩をした。取っ組み合いの喧嘩だった。髪を引っ張って顔を殴られて腹を蹴って手を引っ掻かれて。


「大丈夫?」

ナッティが喧嘩を止めてくれた。金属バットであいつらを撲り殺してくれた。じめじめした体育館裏の出来事。

「大丈夫」

 私はこくりと頷いてそう言うと、ナッティは泣きそうな顔から安心した顔になった。よかった、とふにゃりと笑った。

「なんで喧嘩したの?」

また泣きそうな顔をしてそう聞いてきた。百面相だ。面白い。

「……二酸化炭素を減らしてみた」

ナンチャッテ。本当はナッティに近付くなって言われたからなんだけど、自分のせいで喧嘩を始めたんだとナッティに思わせては申し訳ないから言わない。ナッティに暗い顔はさせたくない。

「ふうん」

でもナッティはどうせわかっているのだろう。わかっていて私たちはバカなことを言うのだ。馬鹿だから。

「なまえ、喧嘩しちゃだめだよ」

またまたふにゃりと笑った。私も笑った。するといつもより背の高いナッティにキスされた。ナッティはあいつのぐちゃぐちゃな頭の上に乗っていた。

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