※過去拍手文
※アマ燐
※なまら短い
※虚無界に逃避行中な二人
レモンとハーブのキャンディ。
ミルクと蜂蜜のキャンディ。
ストロベリーとラズベリーのキャンディ。
チョコレートとミントのキャンディ。
コーラにソーダにオレンジにグレープ、それにチェリーとリコリス。
捩じられた両端を引っ張って開き、宝石のようなキャンディが一つ、また一つとテーブルの上に散らばる。
「散らかすなよ」
呆れたような燐の声に顔を上げる。
シトリンのようなレモンとハーブのキャンディをつまんでかかげてみせながら首を傾げた。
「だってまだ見つからないんです」
「何が」
「燐の左手の薬指にふさわしい甘い宝石」
甘い宝石を舌にのせて首を振る。
ああ、コレも違う。
「燐にはもっと甘いのが似合う」
「……ずっとやってろよ」
赤い顔でそっぽを向く君にふさわしい甘い宝石はいつになったら見つかるのだろう。
でも時間はたっぷりとある。
君と二人、ゆっくり探すのも悪くない。
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bkm