「遙先輩……私、先輩に言いたいことが」
「奇遇だなコウ、俺もだ」
「では、先輩からどうぞ」
「ああ。実は……俺は、名前を任せられるのは凛(か、真琴か、渚)だけだと思ってる」
「奇遇ですね先輩! 私も、お兄ちゃんには名前ちゃんしかいないと思ってるんです! でも……!」
「……そうだ、まだ名前をやるわけにはいかない……!」
「私だってまだまだ甘えたい盛りですからね……名前ちゃんにはまだお兄ちゃんをあげられません!」
「……俺だって甘えられたい盛りだ」
「あ、そこは張り合わなくて結構ですから」
「そうか」
「……とは言え、いずれは兄妹を失うもの同士です。その時が来たら、『お兄ちゃん名前ちゃんおめでとうパーティー』そして同時に『私たち残念会』を開きましょう!」
「ああ、賛成だ」
「遙先輩……!」
「コウ……!」
「あの二人はなぜ固い握手を……?」
「さあ……くだらない絆でも深めてるんでしょ」
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