「えいっ」
「……なに抱き付いてきてんだ」
「お、押し倒そうと思ったんだけど……ビクともしないね？ えへ」
「バーカ、押し倒すならこうやって…………ハル？！」
「凛、名前にそれ以上なにかをしたら……」
「遙先輩！待ったーっ！」
「江！！」
「お兄ちゃん、今のうちに！ 私が遙先輩の筋肉を揉みしだいてるうちに名前ちゃんを押し倒せ！」
「お、おう……っ！ (江ってあんな奴だったか？)」
「くっ！ なにをするコウ！」
「先輩、少しでも先輩から私に触ったらセクハラで訴えますから！」
「名前、逃げろ！」
「わ、私……凛になら押し倒されてもいいよ……！」
「なっ、お、お前……」
「だって……好き、だから！」
「名前……！」
「凛……」
「今だ！ お兄ちゃん押し倒して！押し倒すなら今！ 既成事実を作るの！」
「名前は水だ……俺の水なんだ……水がなくなったら俺は……俺は……！」
「や、やりにくいんだよ！」
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