リクエストのもの/ちあき様へ


名前と遙は岩鳶高校の先輩後輩同士だ。
遙が三年にあがったときに入学してきたのが名前だった。
二人の出会いは割愛するが、それはもうお互いに愛し合い、周囲の人間が砂を吐くほどの甘い空気を年がら年中撒き散らすほど仲睦まじいのだ。
いちばん被害被り、砂を吐いていたのは真琴である。

「いってらっしゃいませ、遙さん」

「ああ、行ってくる」

今日も二人は朝から熱い抱擁と口づけを交わし合い、束の間の別れを惜しむ。

名前は静かに閉められた扉を、まるで二人を別つベルリンの壁であるかのように寂しげな目で見つめた。

「遙さん……」

毎日これなのだ。
ちなみに扉の向こう側では遙も同じようなことをしている。

しかしいつまでもこうしてはいられない。
遙は仕事に、名前は家事をしなければならない。

気を取り直した名前は足早に脱衣所へ向かい洗濯かごを手に取る。
なるほど朝にする家事と言えば洗濯だろう。
名前は遙が周りに自慢できるような良妻賢母であった。
名前はまず遙のワイシャツを手に取り、そして、

「いやぁ! もうダメ、耐えられません! 寂しいよぉ……遙さんはやく帰ってきてえ!」

──嘆いた。
まだ遙が家を出てから五分も経っていないのに、だ。

すんすんと鼻を鳴らして泣いているのかと思えば、名前は洗濯前のワイシャツに顔を埋めて匂いを堪能している。
気を紛らわせているのだろうか。

「はあ……遙さんの匂いがします……」

優しい香りに名前は子宮がきゅんとした。
もしここに怜がいれば、「変態じゃないですか!」との突っ込みがされるのだろうが、生憎とここは名前と遙二人だけの愛の巣なのでそんなことは起こり得ない。

「ん……んんっ……遙さん……」

控えめに下着の中へ伸ばされた名前の白い指は、愛液の溢れる割れ目をそっとなぞる。
目を閉じてまるで遙がそうしているように想像すれば、なんとなく寂しさは紛れたような気がした。

「あんっ、そこ……だめ、です……」

隠れていた敏感な豆をさらけ出し、きゅるんと少しだけ強めに擦る。

「あっ……あふっ……」

ヒクンッ、と太ももを震わせながら、名前は壁に背を預けた。

足を大きく開き、ワイシャツの襟をしゃぶる。

「んっ、む……はやく、帰ってきてぇ……」

だんだんと激しくなる指使いに、腰もそれに合わせて跳ねた。
クイッ、クイッ、と指に押し付けるように動く腰はまったく無自覚だ。

名前は撫でるだけだったクリトリスを、遙がいつもしてくれるようにつねった。

「ひゃあっ!」

ピュッピュッ!
名前の噴いた潮が遙のワイシャツへ掛かるが、快感に弱い名前はそれに気がつかない。

「あ……う、違うの……遙さんは、もっと……」

絶頂こそしたが、やはり名前がするのと遙にされるのとでは与えられる快感が違うようだ。

遙の熱を思い出しながら、名前は自慰行為に耽った。











早めに仕事を切り上げてきた遙は、周りの目も気にせず全力で名前の待つ自宅へ走っていた。昔からの知り合い、例えば凛なんかが見れば腰を抜かすだろう。
それくらい、遙は切羽詰まっていた。

──早く、名前に会いたい。

遙の頭にはそれだけがあった。


「名前、帰ったぞ」


憎たらしいベルリンの壁を開いて声を掛けたが、名前がやってくる様子はない。
いつもなら、扉に手をかけたあたりでパタパタと可愛らしい足音がするはずなのだが、どうにも様子がおかしい。

(まさか、強盗……! いや、人妻ばかりを狙う、セールスマンを装ったレイプ魔か……?)

足音を忍ばせて一つ一つの部屋を見て回る。
リビング、台所、トイレ、和室、……そして脱衣所。しかしどこにもいない。

残すは、寝室である。

「名前っ!」

「はふっ……ん、はりゅ、か……しゃ……?」

名前はベッドでワイシャツをしゃぶりながら遙の枕を抱き締め、つぷつぷと自分の膣へ指を挿入していた。
驚くべきことに、朝からずっとオナニーしていたようだ。
名前の股ぐらは水でもこぼしたかのようにビッショリと濡れていた。

遙が安堵の息をつき、タイを緩めながらベッドに深く沈む名前のそばへ寄る。

「……名前、俺のこと考えながらずっとオナニーしてたのか」

「んぅ……す、すみませ……っ! さみ、しくってぇ……っ」

遙は名前の可愛らしい言い訳に、カッと体の熱が上がった。

水を目の前にしたときのように、あっという間に服を取り払って名前に覆い被さる。

「寂しい思いさせて、悪かった……。今日はもう、ずっと一緒にいてやれるから」

遙の首に抱き着きキスをねだる名前を慈しむ目で見つめて、会えなかった時間──たかだか6時間程度である──を取り戻すように、激しく舌を絡ませた。

「っは、ん……ちゅ……はるかさん、……」

「名前……もっと、舌出せ……」

「はぷっ、んんっ、んむぅ……っ」

遙は、長時間の自慰をしていたことで汗をかき、しっとりと濡れた名前の乳房を揉みしだく。
吸い付くような感触が手のひらに伝わった。

「あっ、あぁ……はるかさん……ぎゅっ…て……、してくださいぃ……」

「乳首をか?」

「んもう……ちがいますっ いじわる!」

「けど……、触って欲しいんだろ」

「きゃうっ やっ! あぁん!」

両手で胸を寄せて二つの乳首を同時に口に含み、舌で乳首を弾いて苛めた。
唇で乳輪を挟んで引っ張ったり、唾液に濡れた乳首を指先で捻れば、名前が嬉しそうに声をあげる。

「しょんな、ちゅままれちゃってる……! 名前のちくび、はるかしゃんに、ぎゅってされちゃってまひゅうぅっ!」

「名前は……可愛いな」

──笑顔のバーゲンセールだぁ!
いつだか渚が、名前といちゃついていた遙に向けて放った言葉である。

名前といると、遙の頬は勝手に緩む。

遙は名前のお望み通りにきつく抱き締めてやり、反り勃つ肉棒をしとどに濡れた名前の膣口へ擦り付けた。

くちゅん くちゅん

「ひゃんっ!じらしちゃ、いやれす……っ!」

遙の亀頭が、つい先ほどまで名前自身がいじめていたクリトリスを掠めるたび、名前が大袈裟なまでに震える。

すっかり剥けて勃起しているクリトリスは、少しの刺激にも耐えきれずにとうとう潮を噴く。

舌を出して恍惚とする名前だったが、次の瞬間──


ぐっぢゅううううぅぅぅっ!!


「ひやああああああんっ!」

「く、あっ……! 」

遙の怒張した肉棒が、勢いよく名前の子宮口を貫いた!

「あっ、ああっ!! い、いきなりもっ、らめれしゅよぉぉぉ!」

いきなり入ってきた遙の肉棒に名前の体は大いに喜んで、きゅう、と肉棒を膣が包み込む。

名前の膣は遙の肉棒の形を覚えてしまっているので、お互いに与えられる快感は並みのものではなかった。

突き上げにあわせて揺れる大きな胸に、遙はたまらずむしゃぶりつく。

「あぁう! あんっ、ぁあっ!」

「ん……、舐められるだけでこれだけ感じるなら、子どもが出来たときに大変だな……」

ベロリ、と乳首を舐めながら遙が言った。

「んあっ、ああっ! あか、ちゃん……っ? はるかしゃん、の、あかちゃん……ほしぃぃっ……!!」

「ああ……っ、俺も……!」

じゅちゅっ じゅちゅんっ 
ごちゅっごちゅっごちゅっごちゅっ

肉棒を子宮口に叩き付けて快感を煽る。

名前が唇を噛み締めて快楽に流されまいとしていたので、遙が優しく舌で口を開けさせた。

「んぷぁっ、あふっ……! はる……か、しゃあんっ……!」

「名前っ…………!」

「ふぁあっ はるかしゃん……っ! しゅきぃ……っ はるかしゃんのこと、らいしゅきれしゅうぅ……っ!」

遙は名前の両足を持ち上げてまんぐり返しの体勢を取ると、さらに奥深く肉棒を侵入させた。

名前の豊満な胸と、遙の硬い胸板が触れ合う。

スッポリと子宮に入り込んでしまった肉棒に構わずピストンを続ける。
するとカリ首が子宮口に引っ掛かり、そのあまりにも乱暴な快感に名前は白い喉を反らせて目を見開いた。

「ひぃっ、あ…………っ?!?」

「これからは、毎日種付けセックスする……。なら、今から子宮を柔らかくしておくべきだろ」

「はふっ、はふっ……ひっ、あ……! わ、かりまひ、たぁ……っ!」

にゅこんっ!ぬこっ、にゅこっにゅこんっ!ぬこっにゅこんっ!

遙は名前とねっとり舌を絡ませ合いながら、確実に妊娠をさせるために子宮の中でだけピストンを繰り返す。

名前はと言えば、朝から続く快楽地獄によって意識は飛びかけ、もはや目の前の遙とその肉棒しかハッキリと認識できていない様子だ。
虚ろな瞳で遙の名前を呼び続け、そのくせ確りと膣の締め付けは忘れない。

「ふあ…っ、はるかしゃ……しゅきぃ……」

「俺も……愛してる、名前……っ」

「んぅう……っ ひあぁ……!」

プシャァァッ!

遙が掠れた声で囁いた言葉をきっかけに名前が潮を噴き、二人の体を濡らした。
しかしどちらも気にすることはなく、むしろ、気にする余裕などないのだが、ただお互いの肉体を貪り合う。

「ぁあ……っ、おくぅ……! あかちゃんのおへやっ、はるかしゃんのおちんちんがぁ、はいってまひゅうぅ……」

「父親が、子どもの……住みやすい部屋にしてやらないとな……っ」

「えへへぇ……っ はるかしゃんが、ぱぱしゃんになるんれしゅねぇ」

「ああ……名前は、母親になるんだ」

「あぁんっ、わたひぃ……しあわせ、れひゅ……」

限界を感じた遙が、ピストンをやめて最奥に肉棒を安定させる。

名前を掻き抱いて隙間なくピッタリと密着すれば、名前の子宮へ狙いを定め、低く呻いて射精した。


ビューッ! ビューッ!
ビュルルルルルッ

「うっ……く……!」

「あっ、あっ、あぁっ……! しゅごいぃ…………びゅくびゅく、してりゅ……!」

タポン、と子宮に精液が溜まっていく。

きゅんきゅんと締め付ける膣は貪欲に精液を搾り取り、遙は断続的な快楽に眉を寄せた。

遙の額から流れる汗と、結合部から流れ出た子種達が、名前の顔へ滴り落ちる。

「はあ、はあ……。たくさん、飲めたな……?」

「はひ…………妊娠、確実……れひゅぅ……」

名前は大量に出された精子が子宮を泳いでいるのを感じると、満足そうに笑った。






「ご飯?お風呂?それとも私?」「コウノトリさんいつ来るの?」「ドキドキ☆裸エプロン」の王道新婚ネタ三本はまた…別の機会ということで……!じゃんけんぽん!

ちあき様、リクエストどうもありがとうございました!
これからも水仙と意外にも淫語にノリノリな遙をよろしくお願いします。




TopMainpage top

×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -