「ベルトルト……お前やってくれたな!」
「ああ、やってやったさ!」

俺とベルトルトは熱い握手を交わしあう。
いやあそれにしたってびっくりしたぜ!まさかあの名前に金たまスリスリさせるとか……ベルトルトやるなあ!

次は俺の番だな!
俺は名前に胸を見られ、そして責任をとって俺と付き合ってもらう!
勘違いするなよ!これはあくまでも俺がジャンの件の責任をとっているわけであって名前と付き合いたいからとかじゃねぇからな!

よし、ベルトルトに浴場の人払いをしてもらい、俺は名前が来るまで半裸で待機だ!

「あ、ごめんエレン! そっか、この時間は男湯だったね〜失礼しました〜」

しばらく待ってると疲れた様子の名前がトボトボと浴場へやってきた。
が、なんと名前は俺の顔をちらっと見るだけで踵を返し、そのまま出ていこうとしているじゃねえか!俺の半裸を見ろよ!!

当然あわてて名前を呼び止めて、少し無理矢理だが作戦を遂行することにした。

「名前……お前責任とれよな……!」
「とれないよ……もうわかんないよジャンもエレンも……」

意気消沈の名前だ。うーん?なんだか良心が痛む気もするが、俺だってもう後には引けないんだ!悪いな!名前!俺と付き合ってもらうぞ!

「とれよ! 責任とれよ!!」
「ひ、ひい……ミカサが来る……。間違えて入ったことは謝るから勘弁してください…」
「エレン、どうしたの………………名前」

み、ミカサ……だと……!?
ベルトルトは一体なにしてやがんだ!人払いってつまりは……ミカサ払いのことだろうがぁ!
見損なったぜ、あの金魚の糞め……!

(僕だってミカサには逆らえないんだよ!)

仕方ない、ここはミカサも作戦に組み込むか……!

「ミカサからも言ってくれ! 名前に責任とって俺と付き合えって!」

へっ……ミカサが俺に弱いことなんてアルミンに聞いたから知ってるぜ!
……なんでなのか理由は知らないが、まあ多分家族だからとか、そんなんだろうな。

俺の訴えに困惑しながらも頷いたミカサが名前を脅しにかかる。

「違うのミカサ! 私は女湯と男湯を間違えてしまってね! エレンの裸なんかを見ようとしたわけじゃないの! これは事故だ!」
「なんかってなんだよ! 俺の裸見て興奮してたくせに!」
「してねえよ! 誤解を招く言葉は控えろ!」
「もういい、わかった。事故なら仕方がない」

なっ!なにわかっちゃってんだ!事故でも仕方なくないだろ!俺は確かに裸を見られて……見ら……み……ミ、ミカサちょっと俺のことガン見しすぎじゃねえか……?

「よ、よかった…わかってくれて」

ミカサの視線に居心地悪くしていたらいつの間にか話が終息していて、これはもう作戦は失敗だと悟った。

女風呂へ向かう、哀愁をただよわせている名前を眺めていると、ミカサが俺の前に立ちはだかる。

「……エレン。少し話がある……」
「な、なんだよ改まって……」

ミカサに引っ張られて脱衣所を出る。
俺まだ上半身裸なんだが……。

「単刀直入に聞こう。名前になにか特別な感情があるの?」
「はあ?! そ、そそんなのねーよ!」
「なら名前に付きまとうのはやめなさい」
「付きまとってなんかいないだろ!」
「いいや、付きまとっている。エレン検定五段の私から見ればエレンは名前に特別な感情……そう……とくに性欲をもてあましているように感じる。名前は心底バカで鬱陶しいところもあるけど……、私も、別に嫌いなわけじゃない。……私は本当に……エレンを大切な家族だと思っている。だから、エレンが……そうしたいなら…………名前と……たとえば生殖行為が……したいなら…………致し方ない…………私は、エレンを、援護……する………っ」
「な、泣くほど祝福してくれんのか、ミカサ……!」

色々と口うるさいけど、やっぱりミカサは俺の大事な家族なんだ!
ミカサがここまで俺を応援してくれるなら俺だってもう遠慮する必要はねえ!
なにをしたって、どんな手段を使ったって、名前のハートを一つ残らず駆逐してやるぜ!!
見てろよミカサ!あとアルミン!







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