ミカサの言っていた運気と言うものが今更ながら気になってきた。
ジャンが仁王立ちで私の行く道を邪魔してきたり、ベルトルトが棒立ちで私のいく道を塞いできたり、エレンが私の周りをちょこまかとしてはミカサに睨まれたり……もうめんどくせえよあいつら……特にエレン。
エレンが責任責任とうるさくしているとジャンがそれに突っ掛かってまた取っ組み合いの喧嘩になるし、ベルトルトが珍しく二人の喧嘩を仲裁したかと思えばわざとらしく私にぶつかってきたりするし……いやもう思いきって言おう、三人が面倒くさい……。
そんなに胸を大切にしてるならブラジャーでも付けとけよ……。 でもベルトルトに恨まれるのはまあ……ホント、わかるんだけどね?いやもう思い出したくはないんだけど。
いっ、いやいや駄目だ!こんなことは全部走って忘れよう。 三人とも今でこそ面倒くさいけど、本当はみんないい人なんだし。 スッキリ走ってちゃんと謝れば胸を触ったことも、胸を見たことも、きん……デリケートな場所をアレしちゃったことも全部許してくれるはず! ……べ、ベルトルトはわからないけど……。
「よお名前、今日はやけに気合い入れてたな」 「はあっはあっ……ら、ライナー……、へへ……まあね……っ」 「ほら、タオルと水持ってきたぞ」 「あ、ありがとう……!」
息が苦しくなるくらいまで走ると、ライナーがタオルと水を持って私を出迎えてくれた。 さすが兄貴とか言われてるだけあっていい奴だなあ……。 そうだ、仲良いみたいだし、ベルトルトのこと相談してみようかな。
「はあっ、あ、あのねライナー、はあはあ……すこし相談したいんだけどっ」 「ああ構わんが……まずは汗を拭いたらどうだ? すごい汗だぞ……」 「う、うん……そうする……はあ、はあ……」 「……」
くう〜なかなか息が整わない……。 とりあえず汗だけはライナーの言う通りどうにかしようと思い、持ってきてくれたタオルで豪快に顔を拭った。
「ふう……ありがとうライナー。汗拭くだけでも結構さっぱりするね〜」 「…………」 「ライナー?」 「あ、ああ…………、いやその、名前……それ……」 「え?」 「すまん……それは、俺のパンツ……のようだ。いや全くき、気が付かなかったが……」 「えっ、そ、ご、ごめん私も気付かなかった……ぱ、パンツ……? 私はライナーのパンツで……顔を……? ま、まじかよ」 「いやあ、たしかにタオルを、持ってきたと思ったんだが……はは」 「ま、まさかパンツとタオル間違えるなんてねーっ! ライナーって以外とそそっかしいんだねーはは、は…は………」
ふ、ふざけるなライナー……なんでパンツとタオルを間違えるんだってんだよ。 私も気付かなかったけど……。
ということは……私はライナーから渡されたライナーのパンツを片手にハアハア言ってて、あげくそのパンツでおもむろに顔を拭いてさわやかにライナーをお礼を言ったってことなの、か……端から見ればただの変態じゃねえかよ!
二人で乾いた笑みを浮かべあってると遠くのほうから視線を感じた。 あ、あいつは……!!
「名前がライナーからパンツを奪い取ってハアハア言ってると思ったらパンツで顔を拭いてゲスな顔で意味深な笑みを浮かべながらお礼を言ってた……!! こうしちゃいられねえ!みんなにも教えてやんねーと!」 「貴様ぁぁっ エレェェェン!!!」
特に理由はないはずのエレンからの嫌がらせが私を襲う……!
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