ついに、遭遇しました。 愛しのウォーリアさんの生!お着替えシーンに!
マティウス様の目をかい潜って何日も何日も何日も雨の日も雪の日も嵐の日も張っていた甲斐がありました…!
カチャリ、カチャリ。 脱がれていく鎧の音が生々しい…。 いつものビシリと鎧を着こなした(着けこなした?)姿も素敵だけど、やっぱり私は人間だれしも生まれたままの姿が1番素敵だと思うんです。そう、それが愛すべきウォーリアさんなら尚更! ああ、いいえ。そんな猥褻な意味でなく、私は純粋に彼、ウォーリアさんの肉体美を愛しているのです! 正直なところ、出来る事ならあのしなやかな腕にきつく抱かれたいとも思いますがそれはお預け。あくまで私はマティウス様のものですからね!
ああっ!そうこうしている内にウォーリアさんのあつい胸板があらわになってるじゃないですか! 柄にもなく大きな声でこの感動を大の口で叫びたいところですが、そんなことをしたらウォーリアさんにばれちゃうので必死に我慢。肩にかかる銀の髪がさらりと揺れる。あまり綺麗な髪とは言えませんが、男性らしくてとても素敵…。 知ってますか?ウォーリアさんの頭皮はとても良い香りがするんですよ!これはまだ私しか知りません!寝室に忍び込みました!マティウス様も知りませんよ!!銀の髪を見ると憎き半裸ストーカーが脳裏を過ぎってどうも落ちつかないけど、仲良しのクラウドと一緒に追い出し、一つ深呼吸をした私は飛び込んでくるであろう刺激的なヴィジョンに備えます。
扉の隙間をそっと覗くと、そこにはウォーリアさんの逞しい胸板が!!………あれ?
「君は先程から何をしているんだ?」
「ひっ…!」
大変です!なんとウォーリアさんに私がお着替えをのぞき見していた事がばれてしまいました!
「その独り言は全部聞こえていた」
「な!え、あ、あの…私…ただ…!」
「君は、たしかカオスの……」
た、助けてマティウスさまー! ああでも今まさに湯浴みをするところだったので、その…フェロモンが…男性らしい匂いが…た、た、体臭が…! もろに…もろに嗅げてしまいまして、その私、私はもう…、もうどうにでもしてくださいませウォーリアさん!
「………」
「はっ、わ、わたしまた何か余計なことを…?!」
「…こちらに来なさい」
「は、はい…」
ごめんなさいマティウス様…私、多分捕虜にされます。
「えと、私、貴方に敵意は…」
「ああ、知っている」
「えっ?それじゃ…帰っても…」
「いいと思うか?」
「……いえ」
ウォーリアさんは未だ上半身が裸のままなので色々な意味と相俟って胸の高鳴り方が半端じゃないですマティウス様! 私きっとこのままじゃ死にます!今までお世話になりました!
と、頭の中で(今度は口に出してないはず…)マティウス様とお別れをしていると、ウォーリアさんが私の肩に手をおき、ぐっと顔を近づけてきた。
「へ!あの?!」
「?そのつもりではなかったのか?」
「そっそそそのつもりってつまり」
「性行為だ」
ゆっくりと一語一語をいたずらっぽく耳元で囁かれたもので吐息をダイレクトに感じてしまい、腰砕けになりかけた私は、この後の楽園と、マティウス様のお仕置きを天秤にかけ、マティウス様のお仕置きという名の拷問に寒気がし、堪らず逃げだした。 (ウォーリアさんとはいつか絶対に体の関係を持ちたいと思いました。敵同士だなんて、ロミジュリみたいで素敵ですよね!)
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