僕らの終焉紀行 | ナノ

君が殺した僕





**月**日

目が覚めると、やっぱりひめちゃんはいなかった。
そらお兄ちゃんと遠くにおでかけしたと、お母さんは言っていた。お母さんは、すこしかなしそうなかおをしていた。
でも、お父さんは今日もおでかけしていていなかった。


**月**日

今日は、しんせきの人たちがたくさんやってきた。
お母さんにおへやにもどって、いいよというまで出てきちゃだめといわれたから、ちゃんとおへやにもどった。
しずかにしていたほうがいいとおもったから、しずかにしてた。だから、いいよといわれるまえにねちゃった。
しんせきの人たちはすこしこわいかおをしていた。
ぼくはみんなこわいとおもった。


**月**日

お母さんが、紙に何かかいていた。
何をかいているのか聞いてみたら、すごくおこられた。
でも、そのあとすぐにかなしそうなかおをしてごめんねと言われた。
お父さんには言わないとやくそくをした。


**月**日

おばあちゃんがおうちにやってきた。
ひめちゃんとそらお兄ちゃんのことを聞いたら、お母さんがこわいかおをしてぼくとおばあちゃんをおこった。
ごめんなさいおばあちゃん。


**月**日

今日はからてのおけいこにいってきた。
ひさしぶりに友だちとあって、たのしかった。
いちごくんと二回しあいをして、一回まけて一回かてたことがうれしかった。


**月**日

ひめちゃんはどうしてるんだろう。
ひめちゃんと学校がおなじだったらよかったのにとおもった。


**月**日

そらお兄ちゃんによくにた人を見かけた。
お母さんに言ったら、お父さんも聞いていたみたいだった。
お父さんのかおは、おこったお母さんよりこわくなかった。


**月**日

夜ごはんのとき、お父さんがかえってきた。
かおをまっかにして、お母さんとけんかをしていた。
お父さんもお母さんも、いつもよりこわかった。


**月**日

きのうの夜は、へんな音がしてこわくていつもよりおそくおきた。
でも、今日はいつもより早くお母さんが朝ごはんを作っていたみたいだった。
お母さんはたのしそうで、ぼくもたのしくなった。
お父さんはまたおでかけしたみたいで、とてもしずかだった。


**月**日

お母さんお父さんごめんなさい





追記

これ以降は日付のみの白紙だったため報告は以上となります。
ですが、終わりの方になるにつれ紙の汚れと劣化が目立ち所々解読が出来ない日がありました。


時々登場する兄弟と思われる人物に聞き込み。対象は引き続き保護観察が必要。










君が殺した僕










(井上夫妻殺害事件報告書より抜粋)

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