Un amour interdit | ナノ

Un amour interdit

ギリアのように







「小夜がこっちのマネージャーだったら良かったのに」

休息時間、ジャージで走り回る愛しい片割れの姿を目で追う。

「ねえ葛城さん、小夜男テニに譲ってくれない?」

隣で同じように小夜を眺める葛城さんに尋ねる。

「駄目だから。幸村くんは部活終われば好きなだけ小夜ちゃんと一緒にいられるじゃない」

葛城さんは悔しいことに小夜の一番の親友で、女テニの次期部長候補だ。

「…あー小夜が足りない」

そう言ってドリンクを一気飲みする。

「おや、幸村くんにしては珍しく荒れてるね」

今すぐ抱きしめたい。俺と同じシャンプー使ってるはずなのに何でか小夜の髪いい匂いするんだよね。

「何でだろうね、葛城さん」

「知らんがな」

「小夜ー!!」

ごちゃごちゃ言ってる葛城さんを無視してドリンクを渡し終えた小夜に手を振る。

「…ふふ、」

控えめに振り返された手に、この後の練習も頑張ろうと思えた。

「…なんか、あんたら見てると恋人欲しくなる」

俺らのやり取りを見てた葛城さんがぽつりと呟く。

「嬉しいけど一応俺たち双子だからね葛城さん」

「いやどう見てもカップルにしか見えないよ幸村くん」

「ふふ、海原祭のベストカップルコンテスト出たら優勝出来るかな」

今年は出なかったけど、一位の賞品が遊園地のチケットなんだよね。
二人っきりで遠出なんかしたことなかったと、こっちに走ってくる小夜を見ながら思った。

「二人とも、休憩終わりだって」

飲み終わったボトルを受け取りながら、小夜が言う。

「お疲れ小夜ちゃん、来年は期待してるよ」

にやにや笑う葛城さんにきょとんとする小夜の頭をそっと撫でた。









ギリアのように









(いつか必ず)(二人だけで旅行に行こう)





ギリア…恋人


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