Un amour interdit
ポプラを叫ぶ
風船は膨らみ続けると、いつかは破裂する。
それなら、好きという気持ちが膨らみ続けたならば、その先はどうなってしまうのだろうか。
破裂するのか、それとも永久に膨らみ続けるのか。そしてもしも破裂したら、どうなってしまうのだろうか。
実際どうなるのかは私には分からないけれど。だけど破裂したらきっと、今までの関係には戻れない。ただこの時は漠然とそう思っていた。
「今すぐ検査入院の必要があります」
昔からお世話になってる主治医の言葉に、静かに眼を伏せる。
「…小夜さんは、学校はもう始まっているんですよね?」
お母さんが頷くと、主治医の西本先生から金曜の夕方から土日はどうかと聞かれ、とんとん拍子に話が進んでいく。
「……先生」
ベッドから起き上がり、先生に声をかけた。
今頃、精市は祝勝会に行っているのだろう。
「私、病気なんですか?」
たとえ不治の病だとしても、若くして死なないならば何でもいい。
そんな事を言ったら、先生にもお母さんにも、怒られてしまうけれど。
「それは…検査してみなければわからないよ」
目を合わせない先生に、少しだけ不安になった。
ポプラを叫ぶ
(――――…小夜?)(何故だろう)(今、小夜の声が聞こえた気がした)
ポプラ…悲嘆