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日記・更新

異世界マキリ01
2022/02/05 14:49

物量に物言わせた力技でポケモンを捕まえる日々を送っておりますこんにちは。
枠は作ったけど一度も使ってなかった初小ネタです。
マキリ×レジェンドアルセウスで異世界転移したマキリの娘をどうぞ。(冒頭だけです)
デフォ名=深夜


ウルトラホールに接続しちゃってたよ



 蟲のさざめきに目を開けると、目に鮮やかな緑と純白の花弁が舞う青空があった。芳しい甘い蜜と花の香りはむせ返るほどで、地に満ちたみどりの魔力(ちから)は瑞々しく身体中に染み渡っている。
 暖かな陽射しは春の原野のようであり、僅かに湿った空気は深い湿原を思わせた。霧深い森の奥でもなく、燃える街並みでもなく、まるで知らない風景だ。
 ここは、どこだろう。
「ぁ
 誰か、人を探そうとして開いた口からは吐息だけが漏れた。喉は随分と長いこと声を出していなかったようで、スムーズに音を発しない。
「あ……あー、わた、し……」
 そこで、ふと気がついた。
 記憶は泥に沈んだように濁り、明瞭としていない。自分がどこから来たのか、何故ここにいるのかすら曖昧だ。
 こんな明るく美しい花園ではなく、もっと昏く、緑の闇に包まれた湿った地下蔵にいたような気がする。勘違いだと忘れるには、小骨のようにいつまでも引っかかる、目に映るモノへの違和感。
 そよぐ風に草花は揺れ、甘い芳香は濃度を変える。不思議と、辺りには生きた物の気配は感じられなかった。
 倦怠感と達成感に包まれたまま、深夜はゆっくりと目を閉ざした。


 遠くで、ゆっくりとドアが閉まるような、音がした。

×××

 ぼう、とどこまでも高く澄んだ天を見上げていると、プロペラのような重い羽音が近づいてきた。上体を起こすと、辺りに散らばっていた気配が一斉に霧散する。視界の隅では木陰の暗がりへと何かが飛び込む影が見えた。
 よく見れば、そよぐ風に混じって、不自然に草木が揺れていた。そこに蠢くナニカがいることは明白だ。怯えているのか、異物の様子を窺っているのか、じっと視線だけが注がれる。
「だれか、いるの?」
 かさりと草木が揺れた。音に驚いたのか、ナニカが隠れ潜んだ木々が連動するように揺れる。
 背筋を撫でるような気配に肌が粟立つ。辺りに、さざめく波のように困惑にも似た恐怖が広がった。
 振り向きながら、条件反射のように成りたての蛹を裂くイメージをする。
 裂かれた繭はぼとりと落ち、どろりと液体が溢れこぼれた。それを起動スイッチとして全身に力が漲っていく。当たり前のように熱くなった目は烱々と輝きを増して火の玉のように浮かび上がる。
 頭上を覆う影に、はっとして顔を上げるとーー

 まるで煮詰めた蜜に浸した雀蜂のような色彩の、人の背丈よりもある蜂の巣が、意思を持っているように、深夜を見下ろしていた。




ウォロさんの手持ちにさせようと思ったんですが、人に迎えに来てもらう姿がイメージできなかったので虫さんに来てもらいました。



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