気持ちの〜 | ナノ


第二話.その姫は出会い


「美弥子様、本当に
ありがとうございました
それに遊び相手になって
頂いたそうで…なんと
御礼をすればいいものやら…」

『いえ、御礼なんて
これは私の意思ですから』

今日治癒した子は随分とよくなった

その後に鬼ごっこをしたりして

町の子ども達とも遊んだのだ


「美弥子様!本当にありがとう」

『うんユリちゃんも病気には気を付けてね?』

「うん!」

『それじゃあ暗くなってきたから
私は帰るね』

「美弥子様また明日、遊びにきてね?!」

『うん、また明日』


約束とユリちゃんと指切りして私はその場を

あとにする事にした




『大変…遅くなっちゃった…珱がまた心配してるかもだ…』

「人間の臭いがする…」

『(ん?何か聞こえた?)』

「いや…今までと違う特別な臭いがする…
そこか?」


帰り際、遅くなったと

思いながら歩いていると

不思議な声が聞こえた

声がする方に足を進める

とそこには数匹の妖怪

がいて私は対面して

しまったのだ。


『あっ妖?!』

「クンっそうか…この臭いの主はお前だな?」

『臭い?…っじゃない!』


妖怪からの臭いと言う言葉に疑問を持ったが

直ぐに思考が正常になり

妖怪から逃げるように足を早めた




『ハァっハァ…』

妖怪から逃げる為に必死

に走る私…頭に浮かぶ

のは妹の珱が言った

気を付けての一言…


『珱…お姉ちゃん早速ピンチですって..きゃっ』


先が見えているのに

前に進む事が出来ない…

その上、足元には魚?!

らしき者がくっついて

いる…そして追いかけて

来ていた妖怪も近付いた


「よくやった、ぬりかべ
三途魚…この女子の生き肝を喰らえば
俺も更に強くなれるはずだ…」

『いやいや!私の生き肝を食べても強くならないよ!むしろ弱くなるかも…そもそも生き肝って..』

「御託は言いさっさと俺に
生き肝を喰われろ」

『いっいや!!!』


【ドォン】


妖怪が近付いてきたと同時に諦め気味に目を

閉じるが怖さの余りいやと叫んでしまう…

その時また妖怪が沢山現れたのだ



「ぬ…奴良組だぁああ
奴良組がでたぞぉおおお」

『また妖?!…(ぬ、奴良組っ?)』

「さぁて、いこうか…お前ら妖狩りだ」


総大将?らしき人?が一声かけたのを合図に

周りの妖怪がいっせいに争い始めた…


『なにこれ…』


妖怪と妖怪が争うなんて

私には考えられなかった

なぜ…仲間?同士が争うのかわからなかった


「おい、お前大丈夫か?」

『あっ…貴方…私の生き肝が目当てなんでしょ?早く喰らえばいいじゃない』

「ほぅ…珍しいな…」


争いが終わったのか先程の総大将?

が話かけてきた。

どおせ死ぬのなら…強気で終わりたいと

そう思ってた。だって格好悪いから…

なのに彼は物珍しそうに私に近付き

私の顎を軽く持ち上げ自分の方にむかせた



「アンタ、ワシが怖くないのか?」

『こっ怖いにきまってるじゃない…』


怖いと聞かれて怖くない

と言えば嘘になる…でも顎を固定された

私の視界には

綺麗な顔立ちの彼しかいない。


「ハハハ…アンタは面白い奴だな名は何と言う」

『...』

「二度も言わせるな」

『美弥子…と申します』

「美弥子、か」


本当の名前は

妖怪なんかに教えたくなかったから、あえて

町で使っている仮の名前を彼に教えた。

『それより…離してよ!//』

「おっと?!…」

「「「総大将!!!」」」

『うっ…』


じっと見つめられたら

恥ずかしくて…つい押しのけてしまった。

それと同時に恩知らず

などと声が聞こえ罪悪感に陥ってしまった


『ごめんなさい!』

「…ゆけ、生き肝なんかに興味はない。むしろ他の物に興味が沸いた…それに、ワシは魑魅魍魎の主になるんじゃからな」

『よくわからないけど、ありがとう総大将さん』


彼が言っていた事は

よくわからなかったけど行っていいと

言われれば直ぐさま御礼をいい立ち去った…




『…珱?…』

「椿姉様ぁ!」

『わっどうしたの?!
父様に何かされた?!!』

「違いっます…ねぇさま…っ珱姫はずっとっクっねぇさまを心配していました」

『そっかゴメンね?珱…
でも大丈夫だよ。だから泣かないで?』


帰ってきて珱の部屋を尋ねると珱は私に

泣きながら抱き着いてきた。

珱を泣き止ませている時

に妖に襲われたのだと思ったと言われた。

事実を言えば珱はまた泣きだしそうに

なるだから私は口にするのを辞めた



【2010/09/19】

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