気持ちの〜 | ナノ


第六話.胸騒ぎ(ぬらりひょん視点)


胸騒ぎがした…。

「てめぇ…椿に何しやがった?」

「遅かったね、妖…ぬらりひょんと言ったか」



数時間前椿の症状が悪化しないように

今日はソッとしておくように

椿と別れた際に釘を刺された。


その言い付けを今回に限って守ったのが

そもそもの間違いだったのかもしれない


京に居るのは椿が残っているから

しかし今は椿とは会えず

かと、言って京に居る女と遊ぶつもりも

なければ今すぐ眠りにつこうとも思わない。

ただ月を眺めては朝が訪れるのを待つばかり



そんな時、無償に嫌な胸騒ぎがして

考えるよりも先に身体が椿の部屋に

向かっていた。



早く、一刻も早く椿に会いたい


部屋に近づくの部屋からは一つの灯りが

灯っているのが、わかった

しかし胸騒ぎは治まらない

部屋まで数メートルと差し掛かったとき

椿の声が聞こえたような気がした



助けて…と。



しかし大声が聞こえたわけでもなく

気のせいだと信じたかった

そして、その直後に灯りがソッと消えた




「椿!てめぇ、椿に何しやがった?」

「遅かったね、妖…ぬらりひょんと言ったか」

「誰もそんなこと、聞いちゃいねぇ!椿に何をしやがった?!」

「そんなに怒鳴るな、椿が…皆が起きるじゃないか」




"ドンッ"


自分でも驚くらいの勢いで部屋の襖を開けた

そこにいたのは、眠っている椿とアイツ…。

何もしていないなら、それでいい

しかし明かに、いま目の前で眠っている

椿の姿は布団や衣服が乱れていて

コイツが何もしていないとは思えなかった。



「少し外で話をしよう。いいだろ?」

「事と次第によっては、お前を切る…」



意味深な言葉を残し椿の頬を一撫でして

ワシの隣を何の躊躇いもなく横切ってきた


嫌な胸騒ぎは止まらないまま…


2013/03/07

prev / next

[TOP]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -