気持ちの〜 | ナノ


第五話.それぞれの疑問


目が覚めて、そこに居たのは白い着物を身に纏った

綺麗な女の人




「起こしちゃった?調子はどう?」

『あっ…はい、大丈夫…です』




なぜこの人は私の事を気にかけてくれているのか

なぜこの人は此処に居るのか

そして、私は何時から此処に居るのか

それすらわからなかった。




「あ、姉様…お目覚めになられたのですね」

『おはよう、皐月ちゃん』

「はい、あ…それじゃあ私はこれで」




部屋の前を通りかかった皐月ちゃん

いつもと違う反応、やんわりと笑顔を向けると

足早にその場を立ち去ってしまった。




「へぇ…どうしちゃったのかしら、あの子」

『さぁ…あの』

「どうしたの?」

『貴女は…此処のお屋敷の方ですか?』

「えっ?本当に『ひゃっ』熱は無いわね…」




突然額に手を当てられれば人の手とは

思えない冷たさに思わず声をあげてしまった





「冗談でしょ?」

『すみません…本当に、わからないんです』

「…っ」




私の言葉に彼女の白い肌が血の気が引くように

更に白くなっているように感じた。



『あの私の心配よりも貴女の方がっ』

「私は、こんな妖なのよ…」

『妖…。』




妖と彼女の口から出た時、その声すら

懐かしくも感じた



「じゃあ、ぬらりひょんのことは?」

『ぬらっ…』



"ぬらりひょん"その名前を口にしようとした時

頭が割れそうなくらいの頭痛が襲った

そして




「ちょっと、大丈夫?!」

『はい…っ、あの…誰のお話をしていましたっけ?』

「…。」

「椿姉様、おはようございます」

『珱…』

「あれ、雪麗さん…どうかなさいましたか?」

「えっあ、あぁ、ちょっと考え事してただけよ」






珱が呼んだ"雪麗さん"と言う名

それが、この人の名前だろう

しかしなぜ、珱は知っているのに

私は知らないのか、そして先程の頭痛は…。






「珱姫、ちょっと付き合いなさい」

「え?あ、はい」

『あの私は…』

「椿はまだ休んでなさい」

『は…い』




休んでなさい、そう言われて襖を閉められた

ことが以前にもあったかのように靄に掛かったような

記憶が思い浮かんだ

これは、いったい何なのだろう…。





















「あの、雪麗さん?」

「椿が…」

「姉様が?」

「その、何て説明すればいいんだろ…多分あの兄か妹に何かされたと思うの」

「どうゆうことですか?」

「私や、特に、ぬらりひょんのことを多分存在事態忘れてると思うわ」

「そんなことって…あるんですか?」

「まぁ「普通の人間なら無理」あ」

「おはよう、お二人さん」

「秀元さん!」

「まさか、盗み聞きしてたんじゃ」

「偶然聞こえた、だけなんやから勘弁してな
雪麗ちゃん」

「そんなことより、どうゆうこなのよ」


「椿ちゃんがおかしゅうなったんは理由があるっちゅうことや」

「何か知っているんですか?!」

「昨日の夜、一瞬だけ君らと違う妖の妖気を感じたんやけど、もし何かあるんやとしたら、きっとそれが原因やないかと…」

「どーして、そんな大事なことを、さっさと教えないのよ!」

「おっ、落ちついて下さい雪麗さん!」

「そー言えば、ぬらちゃんは?」

「「あっ…」」



こんなこと特に椿に対しての問題なら

真っ先に首を突っ込みそうな…改めた

真っ先に首を突っ込む彼が今この場にも

おらず先程も現れないとすれば

どこにいるのかと…そう思うしかなかった。




2013/02/22

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