気持ちの〜 | ナノ


第五話.仲良くなるためには


『ハァ…』


あれから早一週間…ぬらりひょんは毎晩

やって来るのに対して珱のぬらりひょんへの

敵対心を強くしているのは、よくわかる…

正直二人が仲良くなるのは何時になるのか…

いや、なれるのかが不安になくらい。

だから今日は二人が仲良くなれれば

いいなぁとか淡い気持ちを持ちながら

【本日皆立入禁止】

と紙に書いて部屋の前に

貼ってみたのだ…私が居るから二人は

喧嘩をするわけで…だから私が居ない状態に

なれば和解してくれると思っての行動である



「姉様!何故ですか!私何か姉様の気に障る事でも…」

『ちっ違うよ珱!少し誰にも会いたくないだけ…だから珱は何もやってないから安心して』

「はい…」


これが今日最後に交わした珱との言葉決して

珱は何もしていない。

でも、ぬらりひょん

と仲良くなってもらう為だから仕方がない…

暇だからぬいぐるみを一人作っていく私は

最後に町で遊んだユリちゃんを思いだした

「美弥子様、また明日遊びにきてね?」

約束、破ってしまったな

などと思っている間に

日が沈んでいる事に気づいた。


「妖様のせいで姉様がお部屋から出てきてくれなくなったんですよ!(きっと)」

『(ぬらりひょん来たの?!)』

「ワシは何もしてないぞ?!」

『(あっ来てた…)』

「姉様を付け回しているじゃありませんか」

「アンタが邪魔さえしなかったら椿は今頃ワシの所に来てんだよ!」

『(そんなわけないでしょ!何を勝手な!)』

「ありえません!姉様は一生私の姉様です!他の方にお譲りする気は一切ありません!」

『(それは少し無理では)』
「珱姫アンタと椿がずっと一緒に居るのは無理じゃ諦めろ」

『(ぬらりひょん!それを言ったら珱が…)』

「妖様が諦めて下さい!」

『(泣かなかった…あれ?)』

「まぁなんにせよ、この貼紙があるから中に入れないみたいだが…」

「妖様?…」

【ビリッ】

「あっ!!!」

『(どっどうしたの珱?!)』




「だめです妖様!」

『(どうなってるの?)』


襖に耳を当てて様子を伺ってみたものの

外の様子はわからない


『(開けてみようかなでも…どうしよ)うわっ』

「おっと…」

「椿姉様!」

『勝手に開けないで下さいよ!ぬらりひょん』

「聞き耳立ててたのはアンタだろ椿?」

『まぁ。』

「姉様、もう大丈夫なんですか?」

『大丈夫なんだよね…これが…』

「どういう事ですか?…」

『えっとね…』






『…て事で最近、珱も、ぬらりひょんも喧嘩ばっかりだったから私が引っ込んでたら仲良くなれるかなって思ったんだ…。』

「姉様…」


私の思っている事を

ぬらりひょんと珱に伝えれば珱は申し訳

なさそうな表情で私を見つめている。

対するぬらりひょんは


「ワシと珱姫が仲良くすれば椿はワシの事を見直してくれるか?」

「妖様!何を言ってるんですか?!」

『…考えてもいいですよ
珱と喧嘩をしないでくれるだけでも随分と違いますからね』

「ほぅ」

『とりあえず今日は二人ともに心配をかけてしまい、すいませんでした。』

「いぇ今度からは椿姉様がお困りならないように気をつけますね」

「気にするな」

『ありがとう。アハハ(ぬらりひょんはプラス思考なんですね…)』






『あっそだ珱、見て?』

「これは…猫ですよね?」


珱に差し出したのは先程作っていた猫の

ぬいぐるみ。ふと町で見た事のある猫を

思い出しそれを作ってみたのだ


『はいあげるよ』

「ありがとうございます姉様」

「ワシには、ないのか?」

『へっ…?ぬらりひょんってそんな趣味があったんですか?!』

「嫌無い」

『(即答!?!)じゃあ何故?』

「深い意味はねぇよ」

『そうですか…』


深い意味が無いと

言われればそれが気になってしまう

珱は新しいぬいぐるみを前あげた

ぬいぐるみの横に嬉しそうに並べている。


『ぬらりひょん…少しお願い事、してもいいですか?』

「ん?ワシに出来る事なら構わねぇよ」





『じゃあ…私を町まで連れて行って下さい』

「町に…か?」

『はい、どうしても町に行きたくなったんです。少しだけでもいいんです!』


珱の嬉しそうな顔を

見たら町の人達の顔を思い出した。

今まで頻繁に私は町に行っていた為一週間も

町に行かない日なんてなかった…


『ダメ…ですか?』

「いいだろう、明日珱姫が去ったら出発だ」

『あっありがとうございます!ぬらりひょん』

「っ//じゃあ…また明日迎えに来る…」

『あっはい』


何時もならまだ居る時間

と言うより私が帰って下さい。と言うまで

帰ろうとしないぬらりひょんが今日に

限って早く帰ってしまったのだ。


「あれ?姉様…妖様は?どちらへ?」

『んっと…多分帰ったみたい?』



【2010/09/28】
オマケ⇒


その頃…ぬらりひょんは


「総大将!顔が真っ赤ですぞ?!」

「大丈夫ですか?総大将」


ーーーー

『あっありがとうございますぬらりひょん!』

「っ…あの笑顔は反則だろ椿////」


他の人の心配など

まったくの上の空で

黄昏れていたそうな…





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