気持ちの〜 | ナノ


第四話.かわりゆく日常


『珱!是光さんに何てお話したの?!』

「えっと…それは…」


私が今、珱に詰め寄っている理由は

珱の昨日の言葉にあった…


「姫様方ご無事ですか?!」

「あっはい大丈夫です」

「珱姫様…椿様は?」

「えっと…あっ町に町に行くと言っていました。」

「こんな時間にですか?!
この時間は妖が沢山居ると言うのにあの方は…」

「だっ大丈夫ですよ!いつもの事ですからっ…あ…」

「いつもですと?」


それから是光さんのせいで

父様に私が町に度々居っていることがばれて

私と珱の部屋の周りには沢山の人が部屋を

囲んでいるのだ…部屋から出る時も

付き人がついてきて…要するに見張りである。


「本当に申し訳ございません。椿姉様」

『いいよ気にしないで私も久々にお裁縫でも頑張ってみようかと思うし』

「私も一緒にお造りしてもよろしいですか?」

『もちろん』


お裁縫と私が言葉を

発すれば珱は嬉しそうに笑顔になった。

昔は一緒にぬいぐるみや

羽織りを作ったりしていたのだ




「椿姉様この着物はどうですか?」

『あっ昔珱が着ていた布だよね?いいの?』

「もちろんです。これは私には、もう小さすぎますから。それに姉様に、ぬいぐるみを作っていただけるのら光栄です」

『私そんなに上手じゃないよ?』

「そんな事ありません姉様に作って頂いた犬のぬいぐるみは今でも大切にしていますもの」


私が8歳の時に作った犬のぬいぐるみ…

私の初めての作品自分で言うのも微妙

だったけど我ながら上手くできたと思った

だから私は珱にプレゼントしたのだ。


「それはコレのことか?」

『ぬっ…「妖様!それは私のです!返して下さい!」』

「ほれ…」

「投げないで下さい!」


いきなり現れたぬらりひょんは

私が昔珱にあげたぬいぐるみを手にしていた


「それにしても、よく出来ていたな、椿が作ったんじゃろ?」

『まぁ…はい』

「そんな事より妖様はどうやって、この部屋にお入りになられたのですか?!」

『たしかに…』

「気にする事はねぇよ」

『(かなり気になるんですが…)』

「妖様のせいで姉様が外出できなくなったんですよ!」

『いやっ…(それは気にしてないからね珱…)』

「ワシは何もやった覚えがないんだが…」

「妖様の存在のせいです」




「本当にアンタ達、姉妹は面白いな」

「どこがです!」

『(いま達って私も?!)』

「それより椿、ワシの女になる事は考えてくれたか?」

『なっ//まだ言っていたんですか?!////』

「姉様!何のお話ですか?!」

『珱は気にしないで!てか聞いてない事にして!』


ぬらりひょんが昨日の話を珱の前で

持ちかけた為、珱は私の胸倉を掴むような

勢いで私に近づき問い掛けてきた。


「妖様…先に言っておきますが椿姉様は私の姉様なので誰にも渡すつもりはございません。」

「姉離れも必要だと思うが…なっ椿?」

『私にふらないで下さい!(でも珱可愛い////)』

「姉様ぁ」

『うっ…私は珱だけのお姉ちゃんだよ〜!!!』


あまりの可愛さな珱が上目遣いで抱き着いて

きたら、女の私でもかなわない…

「ハァ…ん?誰かきたな?」

「珱姫様、お父上がお呼びになっております。」

「…わかりました」

『頑張ってね珱』

「はい…妖様!姉様に手を出したら絶対に許しません!」

「それは保証できないが一応わかった」

「一応じゃ『よっ珱!もっもう行った方がいいんじゃないかな?』」

「そうじゃ、ククッ」

『ぬらりひょんも珱に喧嘩を売らないで下さい!』

「…直ぐに戻ってくるのでご無事でいて下さい!姉様!!!」


そう一言残し珱姫は部屋を急いで後にした





『ふぅ…(まったく…)
何しに来たんですか?』

「だからアンタに会いに来たんだってさっきから言うとるじゃろーに…」

『それなら珱に喧嘩を売らないで下さいよ!』

「あれは珱姫が売ったも同然じゃろ?」

『っ…(たしかに)…でもっそれは!…あーもう!』


いいたい事がまとまらなくなり

苛々より不満が積み重なり

ぬらりひょんの返事を無視することにして

私は先程、珱から預かった着物を

型取り始めた…





「おい…椿?」

『…』

「無視か…ハァ…」

『うわっ?!なっなにを
するんですか』


さっきからぬらりひょんは私の

名前を呼び私はそれを無視する。それが

先程までのやりとりだ…なのに…今度は

そうはいかなかった後ろから、ぬらりひょん

が抱きしめる様に抱き着いてきたのだ…

しかも


『ぬっぬらっぬらりひょん//むっ胸に手が////!』

「んー?」

『ちょっどいて下さい////』

「椿がワシを無視したのが始まりだ、だから自業自得だと思え」


そう言うぬらりひょんは胸付近に

置いていた手を私を抱きしめる様に回し

首筋に顔を埋めてきたのだ…


『もっ…やめて下さい…(もしこんなの珱に見られたら恥ずかしさで死ねる)//』

「椿がワシにキスしてくれるなら、やめてやってもいいぞ?」

『はひ?!////』


キスなんて…小さい子供達がお礼に

頬にしてくれる事はあったけど

自分からキスする事はない。


『むっむりですよ!』

「じゃあワシも無理じゃ」

『そんなっ//』

「椿姉様!」


まだ部屋からは少し遠い足音だけれども

声の主が珱だと知らせてくれたのだ。


「ちっ…邪魔が入ったか」

『(えっ今舌打ちしましたよね?!)』




「椿姉様!」

『よっ珱…おかえり速かったね?』

「姉様、妖様に何もされませんでしたか?!!」

『えっあっ…その…だっ
大丈夫だったよ?//』

「どうじゃろーな」

『ぬらりひょん!//』


どうしてこの人は

珱を混乱させる様な事を言うのだろうか…

この時、椿は思ったのだ…


『(やっぱり、ぬらりひょんも珱目当てなのかな?…)』

「姉様?」
「椿?」

『んっ?どうしたの?』

「いえ、姉様がいきなり
ボーとなされたので。」

『そうかな?』

「はい…もしや、お風邪を引いてしまわれたのでは?!」

『えっそんな事ないよ!
あっそだ…さっき珱が父様の所に行ってた間に布の型紙作っておいたよ?』

「本当ですか?」


私の風邪疑惑の否定の

言葉の後での型紙完成の報告に珱はよっほど

嬉しかったのか満面な笑みを浮かべている



『それじゃあ今日はここまでにして一緒に寝ようか?』

「はい姉様」

『ところで…ぬらりひょんはいつまで、このお部屋にいるおつもりですか?』

「不満か?」

「はっきりいったら邪魔です妖様(笑)」

『(よっ珱…いつの間にそんな黒い笑みを覚えたの?!)』


そう…今の珱は満面な笑み?なのに

感じる雰囲気は黒い!!!

毟ろ怖いに分類されます


『とっとりあえず、ぬらりひょんは帰って下さい。この前いた仲間の方に迷惑をかけたらいけないですから…ね?』

「あいつらは別にワシがいなくても大丈夫じゃよ」

『…大丈夫なのはわかりましたが私達が大丈夫ではありません!とにかく帰って下さい』

「ちっまた明日くるからな」

『(また舌打ちされた!)』

「来なくて結構です」


珱の嫌味を聞いて小さく笑みを浮かべた

ぬらりひょんは縁側に繋がる襖を

開けると風が吹くのと同時に去っていった…



【2010/09/23】

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