××企画 | ナノ


*燐夢


祓魔師に殺される悪魔はどんな気持ちなんだろうね。
そう苦笑い混じりで答えたなまえに、俺は何も言えなかった。

なまえは手騎士になりたいと言っていた。だからなまえは悪魔が嫌いじゃないんだろう。だから俺にあんなことを言ったんだ。

─悪魔は確かに悪いんだろうけど、でも悪魔はそうするべきしてしているんだよね?だったら憑依は悪魔が生きたくてしてるんだよね?…人と悪魔は分かり合えないから、やっぱり仕方ないのかなあ。

…そんなはずないと言いたかった。俺だって悪魔だ。でも人と分かり合えてる、俺を分かってくれるやつらだっているんだと。
言えるわけなかった。

俺は悪魔だと。
いつか胸を張って言える日は来るんだろうか。

なまえが望む未来は。
俺が望む未来は。

─燐!

そんな日が来たら、俺はきっとあいつに胸を張って言えるのに。

今はまだ足掻くしかないんだと思い知らされて、もどかしかった。


「燐!」

またあいつが俺を呼ぶ。

悪魔ではなくて人としての俺を。



ぼくはたまらなく赦しがほしくなって、きみのすべてを忘れるようにただ泣いた




+а様へ捧げます。
燐お相手夢でシリアスとのことですが、大丈夫でしょうか?企画参加ありがとうございました!!