ハロウィーン小説 | ナノ
へらへらさんとアマイモン(8/9)

「いたいいたい、いたいから離せ」

「嫌です」

ミシミシとなるからだの節々はそれ相応の痛みを訴える。マジでいたい
原因は後ろのとんがり頭の悪魔にある

「離せアマイモン、死ぬ」

「もうですか?ずいぶんひ弱ですね名前は」

「お前が人間だったら負けねえ。つうかお前と俺を一緒の生き物と考えるな」

アマイモン。メフィスト経由で知り合った悪魔だ。殺されないようにと餌付けばかりしていたらなつかれた。悪魔は人の気なんて知ろうとも思わないらしく、前は人前にまで現れそうになりかなり慌てたのが記憶に新しい。メフィストは俺のせいだというがあいつがわざとアマイモンを学園内に入れて面白がろうとしていたことはアマイモンから聴取ずみだ

あいつにしたってこいつにしたって俺をなんだと思っているのか

「離せってまじ折れる」

「お菓子くれたら離します」

あっさり言い放つアマイモン。しがみつかれた肩がギシギシといっているようで冷や汗たらたらだまじ死ぬ
なんて理不尽かつ身勝手な理由。全部やると叫べばアマイモンは相変わらずの無表情でじゃあ離しますなんて言いやがる

やっと解放された体は運動後のように軋む。どんだけだこいつの力
それでもやったというか半場無理やり取りやがったお菓子を頬張る姿はさながらハムスターのようで

なんとなく許せてしまう俺は末期なんだろうか

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