ハロウィーン小説 | ナノ
へらへらさんと奥村くん(3/9)

「さぁ、もらってゆけ奥村ツインズ」

「これは…」

「すげぇな、名前」

どさどさとお菓子を祓魔塾の机におく。軽く山ができた。クラス全員どころか他のクラスのやつらや教師からも押し付けられたなんて笑えないと笑いながら話すTHE矛盾素晴らしい
にしてもいじめかこの量。改めて思うが

祓魔塾にはツインズと俺以外いないので必然的に矛先はツインズに向かう
ひきつった笑みは言わずもがな

「どうしたんだよ、これ」

「押し付けられた、はろうぃんだって」

「それってハロウィンなのか?」

「はろうぃんらしい」

「名字さんはとことん発音悪いですよね」

「うるさい、英語3ナメんな」

筆記とリスニングはいいんだよ。天才児め嫌みか。添い付けられた笑みがまた嫌みったらしい
奥村(兄)はなんだか興奮したようすですごいやらなんやらと繰り返している。分かったからもらってくれ

「ひとまずもらってゆけ」

「いいのか?」

「むしろうぇるかむだ」

まぁ、いざとなったら捨てるかなにか、手段を選ぶけどもやはり貰いものは捨てられぬ貧乏性という悲しき人の性。それは押し付けられたお菓子にも働くらしい。じり貧は嫌だな

結局奥村(弟)も貰ってくれるらしく、どれにしようかと迷っているツインズを見ながらなぜかお菓子が増えるような錯覚味わった
なんて嫌な幻覚だ

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