「んなもんか?お前の実力は」 問いかけてくる順に不覚にも背筋が震えた。前にも似たようなことがあったが、それは火神に向けられていたもので、自分にではなかった。けれど、今は自分に向けられている。 「おい、日向…」 「お前らは黙って練習続けてろ」 「……分かった」 止めに入った木吉も、少し強張った顔をして順の言葉に従うしかなかった。時折、順が怖くなる。けれど、それは彼なりの思い≠セったりする。甘やかさない、それが順の大前提にあるのだろう。飴と鞭の使い方が下手なのだろう、と言えば不器用と言えと苦笑いされたのはいつだったか。 すまんという顔をする木吉に伊月は軽く、短く手を振った。 そして日向に向き、囁くような声で告げた。 もう一人で戦わせないから、と。 それを聞いた順は歪めていた表情を一瞬無にして、すぐにまた表情を歪めた。泣き出しそうな顔のまま、順は。 「…当たり前だ、」 俺はお前の実力を責めたんじゃなくて、ただ、 役立ずな自分が (どうしようもなくて) *いみふ |