成り代わり | ナノ






藍染成り代わり




私はこの世界が嫌いだ。なんて甘ったるい。否、甘ったるいのは構わない。
見ていてなかなか滑稽だが、面白い。

裏を偽っている私も、また滑稽なんだろうが。まぁ、おかげで信頼も得られた。安易なものだよ、まったく。

浮かんだ部下に嘲笑が浮かぶ。彼女はそれの代名詞だもの。

「なぁ、ギン。そう思わないかい?」

「何がです?」

首を傾げた銀髪の彼に私は笑みを寄越す。
彼もまた、食えない笑みを浮かべているが。それでも私には分かる。彼の目に浮かぶ、いや、宿る感情を。騙せていると思っているのだろうか、この狐は。
ならせいぜい手のひらでじゃれついてればいい。

「私に騙されているやつらはなんで気付かないんだろうな?」

「そら、気付かれないように藍染隊長が、」

「まぁ、そうなんだけどね。だとしても、まったく気づかないなんてあまちゃんすぎる」

私とギンの仲にさえ気づかない。自分たちが催眠にかかってることさえ、ね。
だからこそ、この計画は達成されるのだろうけど。

ああ、楽しみでたまらないよ。

にやりと笑みを深めれば、ギンが恐ろしい人やねと肩をすくめた。

恐ろしくて結構。
滑稽で哀れなやつらよりはずっとましだろう。例えば、そう…手のひらで踊らされている、足掻いているつもりのお前のように。


そう、私は誰も信じない。

それでこそ、この計画は達成されるのだから。
だからせいぜい足掻けばいい。




全部うそだって
(気付いたらもう遅い)

…………
アンケートより