放課後教室 | ナノ
学パロです












ガラリと扉が開いた。顔をあげてみると晴矢が教室の入り口につったっていた。下校時刻は間近にせまり、教室には自分一人。休んでいたぶんのノートを書いていたらもうこんな時間になっていた。太陽の光が教室をオレンジ色に染めていて、いつもとは違った空間をかもしだしている。 
晴矢はつかつかとそばによってきて私の机の前に立った。

「何してんの。」 
「ノート写してる。」
「まだ結構かかるのか。」
「いや、もう終わる。」 
「ふーん。・・・じゃあ待っててやるから一緒に帰ろう。」
「え、」 

思わず晴矢の顔を見上げる。

「なんだよ。」
「いや、君がそんなこと言ってくるなんて珍しいな。」
「いいだろ、別に。」

ちょっと照れてるみたいだ。夕焼けに染まった頬ではわかりにくいが、これはきっとそう。

「俺、荷物とってくるから。」
「ん、わかった。」
「・・・・。」

急に教室が暗くなった。と思ったけど違った。晴矢が姿勢を屈めてこちらに近づいてきたからだった。彼を見上げてじっとしていたらキスをされた。軽く唇をふれあわせてそれは離れた。至近距離で目線をあわせる。どくどくと心音が早まるのを感じた。軽く見つめあってから晴矢は姿勢を上げた。

「じゃあ、後でな。」

そう言って教室を後にする。彼が出ていった扉を見つめた。そして顔を机につっぷした。硬い机に額がぶつかって少し痛い。今さらながら恥ずかしくなってきた。いきなり、しかもこんなところでされるとは。何を考えてるんだ、あのばかは。だいたいいつも突飛なんだあいつの行動は。どうせすぐに帰るのだし、今しなくても後で。て、違うぞ、そういう意味じゃなくて別にしたいわけじゃなくて。ああ、もう。
晴矢と思いが通じあってからこういうことはよくある。キスだって何度もしてるけど、やっぱり平然としているのは難しい。こういういきなりなのはなおさらだ。でもいやなはずがなくて、本当は嬉しくてしょうがない。するたびに彼を好きだと気づかされるし、どんどん好きになっていく気がする。私がこんな気持ちになってるってあいつは気がついてるんだろうか。気づいてないだろうな。それでもいいけれど。

晴矢・・・・、はやく帰ってこないかな。
そう思って顔をあげると目前の人物と目があった。そいつは私の机の前にしゃがみこんで私を見ている。サーっと血の気が引く思いがした。
こいつ、いつから。いや、見られてないよな、大丈夫だよな。
軽くパニックになっていると目前の男、基山ヒロトは口を開いた。

「さっきキスしてた?」 
見られてるー!だからあのばかは! 

「は、話をしてただけだ。」
「えー、本当?」
「本当だ。」
「嘘だね。」

いやにキッパリ言いきるヒロトに冷や汗がたれる。

「水くさいなぁ。付き合ってるなら教えてよ。」 
「そういうわけじゃ・・。」
「で、どこまで進んだ?もう最後までやったの?」

これだからこいつに教えるのはいやなんだ!
どうなのとしつこく訪ねるヒロトにげんなりしつつ、窓の外に広がる夕焼けに視線を投げかけた。













途中の少女まんが?の雰囲気をだいなしにするヒロト。二人にヒロトを絡ませるのが大好きです







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