※猫被りを飽くまでの続き
※雪男が下
※雪男があんあんしてます


くすぐったさに目を瞑ったら膝でぐり、と股間を押された。声を上げたら再び口角をあげて、押す力を強めてきた。

「ひ…!」
「あれ、これ気持ち良いの?」
「んは、違う…」
「じゃあ踏む?」
「やめ、」

急にベッドの上で立ち上がり、すらりと伸びた脚を上げたと思ったらあろうことか彼女は股間に足を乗せて左右にぐりぐりと圧力をかけてきた。それは僕をおかしくするのに充分な刺激で高まる射精感に背筋がぞくりとした。対称的に熱くなる体は快感に負けはじめていて、どうなるんだろうか、早く気持ち良くなりたい、もうどうにでもなれ、とか脳内に浮かんできた快楽を肯定しはじめる言葉がリフレインした。

「…う、ああっ!」
「え、嘘?!」

びくん、身体が強張って指先がぴんと伸び、跳ねた。つま先から脳天まですごい勢いで熱が上り詰めたその瞬間に、ズボンの中が気持ち悪くなった。湿ったのに気付いた名前さんが意地悪く笑いズボンのチャックを下ろした。どうしようもない羞恥とパンツの中の不快感に自然と涙が出てしまうがそんなのも気にせず、腰あげてと命令された。親に子供が脱がすような行為にまた耳が熱くなる。

「雪男くんは素質あるね、ぞくぞくしちゃった」
「ふ、う…」

流したくもない涙がぽろぽろと溢れ出てきた。柔らかい唇がそれを啄み、涙の道筋を口付けられた。暖かさ心地良く、愛撫された猫のように目を細めると、僕の唇にちゅ、と優しい触れるだけのフレンチキスを落とされた。先程とのギャップに驚いて目を開けたら彼女はあろうことか自分で服を脱いでいた。

「え、ちょ、名前さん!」
「気持ちよさそうな雪男くん見てたら濡れちゃった」

そんな爆弾を投げないで下さい!心臓がバクバクと危ない音を立て始めた。

「雪男くんのここ、精液でぐっちゃぐちゃだね」

やめて。心の中で拒否をした。でも、身体は正直で、むくりと起き上がる自身に呆れた。もう諦めてしまおう。僕はしょうもない、性欲に抗えないただの人間だ、男だ。

「んう…?」

そして刺激に耐えようと構えた数秒、装着だけされたゴムの上から指でつつかれた。撫でたり、指先だけで触れたり、そんな刺激で、既に限界な僕は早く彼女の中に挿れたかった。そんな僕を知ってか、優しい刺激を与える名前さんは悪魔だ。

「雪男くんはどうしたいの」
「え、」
「気持ち良くなりたい?」

答えは勿論、はい。だけど小さな抵抗で顔を逸らして無言を貫いた。

「雪男くんの挿れたいなー」

じゃあ、早く挿入しろよ。なんて思ったら、握り締められ、ゆるく上下に擦り始めた。強くなる刺激にまた高まる絶頂の気配に嫌気がさし、分かってきたのは彼女に従わねば、望むものは何も与えられないんだ、痛い程分かった。

「雪男くん?」
「名前さんの、っで、イきたいからっ!やめて!!」

よく出来ました。恍惚とした表情で満足気に名前さんが僕に跨り一瞬でずぶりと挿入ってきた。熱のぶつかり合いに溶けてしまいそうな快楽に溺れてしまいそうで、腰を掴んで、声を上げ、上から何度も奥を目指して突き上げた。深く繋がってそのまま僕の形を覚えて欲しい、僕の本能は爆発したように腰を浮かせた。

「雪男くんの気持ち良いっ、はあ!」
「は、あ!あっ、名前さんっ、名前さん…う、ああっ!」

水音が最も激しく鳴り響いた瞬間、律動が止まった。ゴムの中で僕の精がたっぷりと吐かれ、けだるさが襲った。未だ繋がる名前さんが再び律動を始めた。吐かれたばかりで敏感になっていたおかげか、すぐに僕のは元気になる。ばちゅばちゅ、と上下に揺らされ明日が不安になった。

「…まだイってませーん、雪男くんて早いんだね」
「もう、むりい、…ひっ!」

どこまで絞り取るつもりだろうか。気付いたら僕は深い眠りについていた。夢なら良いのに、と思ったが夢だとしてもなんという悪夢だ。しかし夢じゃなく現実だと知らされたのは僕の隣で幸せそうに寝ている名前さんの顔だった。




2011.11.23
こうしてドMは作られる