1059SS | ナノ

午前10時、時計を見て小さなため息をこぼした。
いくら休みだからとは言え、あまりにもだらだらと寝ているのは感心しないなあ。すっかり冷めきってしまった朝食を横目にソファから立ち上がる。よっこいしょ、なんて自然と口から飛び出してしまう辺りが、じじくさいと言われてしまう要因なんだろうなあ。

なまえの部屋の前、ノックをしても声をかけても返事はない。ドアを開けてベッドを見れば盛り上がっている布団、微動だにしないから困ってしまう。
起きる様子は全然全くなし。


「ほらなまえ、いい加減起きてくれないと」
「……」
「片付かないから、ほら」


布団の上から揺さぶってみても無反応、こうなったら意地でも起こさなくては、なあんて変な使命感がむくむくと湧いてくる。
いや、でもこれは使命感と言うよりも……。


「なまえ、起きないなら今ここで君を食べちゃうよ」
「……」
「……ここまで無反応だと些か傷付くよ」


全くもって反応がない、そっと布団をめくれば本当にぐっすりのなまえがいる。睡眠薬でも盛られたかのような……いや、私は盛っていないよ、念のために言っておくけど。
揺すっても頬をつついても、ぴくりともしてくれない。ここまでくるといっそ清々しいというか。


「おーい」
「……」
「本当に食べちゃおうか」
「……」
「そういえば今日はハロウィンだったかな?」
「……」
「なまえー、トリックオアトリート、だよー」
「……」
「今日は何をしても許されそうな気がするよ」


少しくらい大人気なくなってもいいんじゃないかな、後先考えずに本能に従ってみるのもたまにはいいよね。
なまえ#の頬を両手で包み込み、唇を押し付けた、ようやく身じろいだなまえが薄らとまぶたを持ち上げる。
気にせず柔らかい唇を貪り続ければ、苦しいのか推し返そうとしてくる。寝起きのせいで全然力が入っていないからどうってことない。
私はしばらくそのまま楽しむことに決めた。

7thハロウィンフリリクのサルベージ
20141105
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