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あいつが笑うとみんな笑う。

俺が笑っても、やっぱりあいつは笑う。

あいつが笑うから、また、みんなが笑う。

俺にとって太陽みたいな存在なんだ。

「レントラー!」

よくやったー!とわしわし俺の頭を撫で回し、おまけにぎゅうっと抱き着いてくるのは俺の主、なまえ。

それほど嬉しかったのか、何度も何度もよくやったー!と繰り返す。

たかがエリートトレーナーに勝ったくらいだっつーのに。

「どしたの?勝ったのにあんまり喜んでないね?」
「……たかがエリートに勝ったくらいだろ」

ぐりぐりと撫で回されるのがなんだか恥ずかしくてそっぽを向きがちだがこの際だ、はっきり言う。主に対して言うことじゃねぇんだろーけど……。か……可愛いんだよ…。

「どした?」
「……別に」
「なんかさ、レントラーって私のことあんまり好きじゃないよね」
「はぁ!?いつ俺がンなこと言ったよ?」
「私は大好きなのにさ……やっぱり嫌い?」
「ばっ!違……あるわけねえだろっ!」

なにを言い出すんだなまえは……嫌いとか、す、好きだとか。そりゃあ好……きに決まってっけど。

「ほんと?」
「当たり前だ」
「よかったあ!」

曖昧な答え方をしても、なまえは嬉しそうにはにかんだ。

そんななまえが可愛くて、熱が顔に集中してくるのがわかる。紅くなった顔を見られまいと、さりげなく視線をずらす。

面と向かって『好き』だとか『可愛い』だとか、まだまだ、俺には言えそうにない。


愛しキミへの淡い恋

20081118
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