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ずっとずっとむかし、ともだち!
ギンガ団のボスを見てロトムが騒いだ、思わずまじまじと見つめて固まってしまったおかげで、ギンガ団を取り逃がしてしまったじゃないか。

「ロトム……それほんと?」
「ほんと!おもいだした!ロトム、いっしょにあそんだ!」

深いため息が出た。

旅の途中、私はまあとりあえずリーグ目指してテッペン獲っちゃう?と軽いノリで旅に出て、そこそこ名の知れたトレーナーにはなった。あくまでそこそこ、それでも順風満帆楽しく着実に前へと進んでいたさなか。
途中で巻き込まれたギンガ団の悪巧みを片付けている、不本意だ、好きでやってるわけじゃない。
そして今、ギンガ団したっぱとボスのアカギと鉢合わせ、したっぱを叩きのめすとアカギが撤退、追い討ちを!と思ったら控えのロトムがボールから飛び出し冒頭に戻る。

「冗談でしょ……ってことは待ってロトムあなたいくつ!?」
「いくつ?わかんない!」

ポケモンって長寿だっけ?よくわからない、ロトムって子どもみたいな喋り方だからてっきり数歳だとばかり思っていたけど私よりも年上でした……。今度からロトムさんと呼ぶべきか。

「かおがこわい」
「え、ごめんそんなに難しい顔してた?」
「ちがう!あるじじゃなくてあいつ!」
「アカギのこと?」
「ん!ロトムむかしゆーかいされた、がんばってにげた!あいついなくなってた、ロトムひとりぼっち、でもあるじ、なまえがきた!いまロトムさみしくない、あいつはずーっとひとりぼっち、ギンガだんともだちじゃない!」

ロトムの騒ぐは強烈だ、元からやかましい子だったけれど今は特別やかましい、そういえばミナトシティで昔話を教えてくれた人がいたっけ、あとロトムが誘拐されたことがあるって初耳だ。
どういった経緯でギンガ団ができたとかアカギが何故ボスになったのか、理由なんて1ミリも知らないし知りたくもない。でもロトムがアカギを友だちだと言うから仕方なく内情を探ってあげないこともない。あくまでロトムのためだ、ロトムの悲しい顔は見たくない。

「ねえロトム」
「なあにあるじ」
「あのアカギが本当に友だちだったの?」
「ほんと!きかいがだいすき、すごくあたまいい、ロトムにことばおしえてくれた!」
「ああ、だからあなたしゃべれたのね」
「ん!」

積年の疑問も晴れて消えたところで意思は固まった、旧友との再会を果たさせてあげようと思う。会ってどうする、アカギにロトムを渡すかと聞かれたら答えは断固ノーである。私がロトムを手放す気はサラサラない、代わりにこのロトムで叩きのめす、あるいはロトムの可愛さでメロメロにしてギンガ団の野望を打ち砕く、これでどうだろう。

「ロトムめろめろない」
「なくても充分可愛いから大丈夫」
「ロトムかわいい?」
「最高可愛い大好き!」
「ロトムもあるじだいすき!」
「えへへー」
「えへへー」

それじゃあ早速トバリのギンガビルに突撃しようか。

「ロトム、準備はいーい?」
「ロトムぜんかい!ばっちりおっけー!」

首洗って待ってなさいな!

ロトムと見せかけてアカギ夢と言い張る。
20180406
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