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「ロトムっ!」

己の力を過信し過ぎてた、相手はノーマル、自分はゴーストと電気。だから楽勝ちょろいもんだと思ってた。

だからまさか相手がサイコキネシスを覚えていたなんて、予想外だったし優勢からまさかの大どんでん返し。あるじが叫んだのと、相手のサイコキネシスが炸裂したのはほぼ同時、情けないことに竦んで動けなかった。

ぎらぎらした光りの衝撃に一瞬で意識が吹っ飛んで、それから次に目が覚めた時にはあるじの心配し過ぎて死にそうな顔がそこにある。

「……ある、じ?」
「ロトム!よかったあ、心配したんだから」

ぎゅう、と抱きしめられて、あるじの温もりが全身を包む。

「ごめん、なさい……」

どこか痛むところは?お腹空いてない?いつものように接するあるじ、多分バトルは負けた。それでもあるじ、怒らない。ロトムはロトムなりに頑張ったんだから。

そう言った、でも今回はいつもと違って負けたのは実力の差でもなんでもなくて、ロトムの過信のせい。

油断したロトムが悪い、口をついて出た言葉にあるじは目を丸くしてロトムを見てる。強くなるって、それであるじのいちばんになるって決めたのに。

「ロトム、油断した……ナメてかかった、だから、負けた、っ」

ぼたぼた零れる涙、すごく悔しい。ロトム自分に腹が立つ。

「ロトム?」

悪いのはロトム、なのにあるじ、すごく優しい声でロトムを呼んだ。

「……あ、い」
「自分の力を過信して負けた、それをきちんとわかってる、それでいいじゃない」
「……え」
「敗戦から学べることもたくさんあるよ」
「負け、から?」

それを次にどう活かすかはロトム次第、余裕が持てることはいいことだけど、もし相手がこちらに有利なタイプだったとしても、覚えている技だったり特性が厄介だったりするかもしれない。

常に何が起きても想定の範囲内に納めることが出来るようになれば、大したものだよ。だから負けてただくよくよしてるだけじゃなくて、反省をして次に繋げることが大切だと思うよ。

負けた理由をきちんと理解して、反省してるからわたしはロトムを怒らない。

「ロトム、わかる?」
「あい!」

あるじの言葉に頷いた。あるじの言うことよくわかる、つまり、次は自分の力を過信しないでずっと全力!ずっと集中!

「ロトムもう泣かない!」
「うん、偉い偉い」

あるじは笑って頭撫でてくれた、ロトムあるじに撫でられるの、すき!ロトムは強くなるんだ、誰にも負けない。優しくてあったかい。だいすきな、あるじのために。

20100506
20180212再掲載
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