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「コジョンド、大丈夫?辛くない?」

手持ちの中の先発アタッカー、好戦的な性格もあってかコジョンドはとても頼もしく頼りがいがある、そんなコジョンドに甘えからか、なんの根拠も確証もなく大丈夫なのだと信じて疑わなかった。

言ってしまえば無計画の度が過ぎたのだ、私を信じてついて来てくれたコジョンドに申し訳が立たない、とある一戦で大怪我を負わせた、元々さほど命中率の高くないリスキーな跳び膝蹴り。

苦戦を強いられて焦った私の指示ミス、どうして一か八かに掛けたのかはわからない、とにかく焦ってた、跳び膝蹴りは外してしまえば相手にダメージを与えられないどころか、ほとんどを自分に喰らう。

焦った私にそれでも精一杯期待に応えようとしたコジョンド渾身の一撃は最悪な展開を迎えた、地面に叩き付けられ、鍛え抜いた自慢の脚を折った。

「ごめん……ごめんね、コジョンド」

ポケモンセンターのベッドの上できゅう、とひと鳴き、コジョンドは私を見上げて首を傾げる、ギプスをはめた脚と私を交互に見た。長い腕の毛皮を器用に操り私の頬をぺちりと当てる。

――ダイジョブだから。

コジョンドの瞳に映った私のひどい顔、コジョンドの方がよっぽど強くて大人だ、見限られて当然なのに、それでも信じてくれて心配かけまいとする。

――早く怪我治してバトルしたいよ。

両腕の毛皮を揺らしウズウズといった様子を見せた、目頭が熱くなって思わずおもいきりコジョンドを抱きしめる、私の一生涯の宝物、なにがなんでもこの子とずっと一緒にいたい。

もう絶対に信頼をなくすような、裏切るようなことはしたくない、そっと背中に回された腕にまた目頭が熱くなった。

20110907
20180202再掲載
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