『心配などいらない』
あなたはそう言って、槍の柱に向かいました。その言葉を最後にあなたの姿を見た者はおりません。
どうしても行かなければならないの?
そうあたしは尋ねました。あなたは、どうしてもだ。の一点張り。いつも以上に頬はこけ、顔色は優れない。
そこまでして、あなたが望む新しい世界とは一体なんなのでしょう。あどけなく純粋無垢な子供達に野望を、それこそ何度も打ち砕かれてきた苛立ち。
計り知れない焦燥感。
幹部を引き連れて行こうとするあなたの背中はいつもよりもひどく遠く感じました。
『なまえがいればそれでいい』
『アカギさんがいればそれでいい』
お互い交わしたあの言葉は嘘だったのですか?『こころ』の存在を嫌いひどく憎んだあなただったけれど、本当は何よりも『こころ』の存在を……。
別れ際に囁いてくれた言葉は今でも、あなたの優しい微笑みと共にあたしの『こころ』に刻まれています。
どうか、無事でいてください。
何事もなかったかのような顔をして帰ってきてください。
もう何もいらない、新しい世界なんていらない。あなたさえいてくれればそれでよかったのに。
アカギさん、どこにいるの?
『ずっとずっと愛しています、だから早く帰ってきてください』
ギンガ団ヒロイン、健気にボスを待ち続けます
20081016
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