BSR | ナノ

寡黙な私の愛しい人、長くて艶やかな暗めの緋色の髪、それに隠された瞳が時折ちらりと覗くたびにドキドキが止まらなくなる。強くて鋭いのに私に向けられる視線はいつだって優しく温かい。

ほっぺたをすっぽり包んでしまうくらい大きい手のひらに撫でられて、じんわり広がる幸福感。ふくふく笑ったら不思議そうに首を傾げられたので、幸せすぎて嬉しくてにやけちゃう。そう言うと彼も嬉しそうに口元を緩めてぎゅっと抱き締めてくる。

大好き大好き大好き、ぐりぐり逞しい胸元に顔を押し付ければそれに合わせてしかと抱きしめられる。耳元に感じるかすかな吐息、自分よりもほんの少しだけ早く脈打つ鼓動。「こたろ」呼べば返事のかわりに抱きしめられている腕の力が強まった。


「すき、だいすき、一番すき」


ちゅ、と頬に唇を寄せればお返しとばかりにあらゆる場所へと小太郎の唇が降ってくる。ああ、幸せすぎる。本当に。


「人の陣地でいちゃつくのやめてくんないかなあ!なに?なんなの見せつけてんの自慢しに来たわけ?爆発すればいいのに!」
「猿飛さんご立腹らしいんだけど小太郎なんでか知ってる?」


さあ?と首を傾げる小太郎は本当に可愛い、こんなに可愛い小太郎がいるのに猿飛さんは一体何をそんなにカリカリしているの?月のもの?


「俺様男ォ!だから!人の!陣地で!いちゃつくの!やめて!」
「いちゃつく?私たちいちゃついてる?」
「……?」
「いちゃつくいてる!じゅうぶん砂吐けるくらいいちゃついてる!っていうか用がないなら帰ってくれないかな!?それともなんか用があるわけ!?」
「特にないよね、小太郎」


こくんと頷く小太郎を見るなり「ああもう!ああ、もう!」と地団駄を踏み始めた猿飛さん、たまたま立ち寄っただけだと言うのはやめておこう。今の猿飛さんにはきっと何を言ってもブチ切れるだろうから。

20151031
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