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▼アンドロイドパロディ

複雑怪奇、心っていうものは不確かでいびつで実に興味深い。人が創造主の真似事をして、人に似通ったヒトモドキを造ることができる時代にはなった。相変わらず景気は悪いままだけど。

アンドロイドに人工知能、呼び方は多種多様、元々はお手伝いのお掃除ロボットや、人間が行くことのできない危険な場所などでの作業用ロボットの開発がとんとん拍子に進んだおかげで、新しいロボットの開発ができるようになった。

ドゴォッ!


「っきゃああ!家康くんんん!」
「やあなまえ、今日もすまないな!」


凄まじい音を立ててドアが吹き飛んだ、あれ一応剛性の混合鋼鉄製なんだけどなあ。破壊されたドアと周囲の壁がぽろぽろとビスケットのように崩れている、粉塵が舞い、その向こうから爽やかな笑顔で精悍な顔付きの青年が現れた。
遅れて息を切らせながら、涙声でやってきたのは私の後輩。


「爽やか笑顔でナチュラルに謝られてもね……家康はいい加減学習しましょうねー」
「す、すみませんすみませんんん!パワーセーブのプログラミングがやっぱりうまくいかなくって……」
「微調整っていうのもなかなか大変だもの、仕方ないよ」
「せ、せんぱぁあい……!」
「はいはい泣き言はそのくらいにして、まごまごしてる暇があったら計算式ぜーんぶ見直してきたら?」
「あい……お騒がせしました」
「邪魔したななまえ!そういえば三成がいないようだが」
「メンテついでにお使いさせてるの、行動の不安定な部分の調整したくて」
「今戻った……っいえやすゥ……イィエェェヤァアアスゥウウウ!貴様ァアア!今日という今日こそ殲滅してくれる!頭を垂れろ!首筋を……神経系回路を晒せェ!」
「まあ、こういうところなんだけど」
「はっはっは、調子いいみたいだな、手合わせならまた今度だ!今日はワシも微調整しなければならないみたいだからな!」
「待て家康!逃げるのか貴様ァアア!」
「さて戻ろう、っと」
「っひゃああ!家康くん私自分で歩けます!俵担ぎとかそんなベタな!」
「じゃあさらばだ!」
「ひゃああああ!」


ドン!ガシャァア!


「……帰りも同じ穴から帰ってくれればいいのになんでわざわざ新しく穴を開けてくれるかなあ、あのおバカロイド」
「イィイェエエヤァアアスゥウウ!」
「はいはい三成落ち着いて、クールダウンクールダウン」


フシャァアア!と毛を逆立てた猫のように威嚇する三成、何がそうさせているのかはわからないけれど、家康を見かけるとこうなっちゃう。あまりにもひどい時にはそのままオーバーヒートなんてこともたまに。
他は完璧なのにどうしたものか。

▼アンドロイドパロディ(続かない)
20150527
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