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ちょっと厚めのタオルケットとひんやり感が味わえる冷感シーツ、枕は頭が熱くなってイヤだったから早々にご退場頂いた。大きな保冷剤を薄いタオルに包んで抱きながらベッドに横たわっていると、ふいにぎしりとベッドのスプリングが侵入者だぞと教えてくれる。


「……又兵衛さん」
「あァ?」
「離れてください、暑いです不快です」
「はァア?俺様はちーっとも暑くないんでえ」
「私はあつ」
「ぜってえイヤですからあ、離しませんからあ」


侵入者は私を背後から羽交い締めにするかのように、長い両手両足を有効活用。侵入者もとい又兵衛さんはシャワー上がりでほんのりと体温が高くなっている、このほかほかした温度、冬ならば両手を広げて私自らカモン!と言いたいところだけれど(いやむしろ私から突撃する)夏は拷問だ。蹴落としてやりたいのは山々だけれど、報復が怖いので我慢する。

又兵衛さんの胸板と私の背中が寸分の隙間なくぴたりとくっついているおかげで、じわじわ汗ばんで不快指数が右肩上がり。シャワーした意味がなくなるじゃないか!


「あっれえ、お前ブラしてないんですかあ、ねえ、下は……チッ、履いてやがる」
「ひ……!ま、又兵衛さ!」


絡められた両手がもそもそ身体を這い回ったかと思えば、背後からTシャツもろとも両胸を鷲掴みにされてぐにぐに揉まれてる。
しばらくして、片手が麻のハーフパンツを引っ張っると、その片手が中に突っ込まれて尻も容赦なく鷲掴まれた。そして舌打ちされた。
再び両手が胸へと戻ってきていじり倒されながら、又兵衛さんは私が逃げないように両足で下半身をがっちりホールド。通った鼻筋が耳の裏側を伝い、その延長線上に生温かい舌が這いずる。


「や、や……っ!」
「逃げんじゃねえよお……アァア、いい匂いがするなあ、同じシャンプー使ってんのになあんでなまえはこおんなにいい匂いがするんですかねえ、ねえ?」
「あう、ん……ん」
「ところでえ、なあんでブラしてないんですかあ、ねえ……又兵衛様を誘ってるんですかあ?」
「ん、ちがっ!あ、暑いからしないだけ、で……やっ」
「ふうん……ま、どういう理由でも構いやしませんけどお、俺様もう完全にやる気スイッチ入ってるんでえ」
「あっ、や、や!」
「暑いんだったらいっそのこと裸で寝りゃあいいんじゃないですかあ?脱がしてやりますよお、ハイ喜んでえ」
「やだ、又兵衛さん、ひ、ひど!」
「やだあ?そんなこと言ってさあ、まだ触ってもないのにココ、もうこんなに準備万端じゃないですかあ」


引きちぎりそうな勢いでハーフパンツも下着も取り払われる、露わになった恥部は確かに湿り気を帯びていて、又兵衛さんの言う通り、淡い期待を抱くように緩く蠢いた。
後ろから抱き込まれている状態のまま、又兵衛の左手は私の左胸を掴んで、時々気紛れにその頂きを抓ったり転がしたりして遊んでいる。
そして又兵衛さんの右手は私の恥部を無遠慮に蹂躙、膨れ出した芽を指先で押し潰すととろりと溢れ出す蜜。無遠慮であっても触れ方は甘くひどく優しい、ちゅく、と音を立てて指先を浅いところで蠢かせる。


「ひあっ、ああ、んっ」
「あーあー、ちょーっといじっただけでこれですからねえ、やだとか言っておきながらさあ、身体の方は随分と嬉しそうにしてますけどお?」
「そんな、ことっ……な、やああ」


結局最後まで又兵衛さんの赴くまま、気の済むまで付き合わされる羽目になり、気が済んだ後もべったり張り付かれたまま。


「……お前がさァ、可愛いから、いけないんですよお、ぜえんぶ、お前のせいですからあ」


寝入り際、囁かれた言葉に思わずグッときてしまって「仕方ないな」って全部許しちゃう辺り、私自身、呆れるほど彼に傾いてるんだと再確認。

20140719
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