※若干やらしい。
薄暗い部屋、辛うじて互いの顔が認識できる程度のその空間に二人きり。私となまえ、愛し合う者同士のみがそこに存在している。無音のこの場所で、まるでこの世界に存在しているのが二人だけのような錯覚さえ起こす。いや、いっそのこと本当にそうなってしまえばなまえは永遠に私のものであり、私も永劫なまえだけの私でいられるのだ。これ以上の喜びなどないだろう、ああ、そうだとも。
身じろいだことで僅かに軋んだベッド、健やかに眠りについているなまえの上に覆い被さり、愛らしいこの上ないなまえの寝顔を存分に堪能しながら、ぴたりと閉じたまぶたに己の唇を押し当てた。
一瞬こくりと鳴ったなまえの喉元に視線を滑らせ、指を這わせる。なぞるように喉元から鎖骨、そして胸元に到達したところでそっと手のひらで、着ているものの上から胸の膨らみを包む。
程よい肉付きの感触、布越しというのがもどかしさを生み、邪魔な布を剥ぐ。下着はつけさせなかった、呼吸に合わせて上下する二つの膨らみのうちひとつをやんわりと掴んだ。
「……ん」
やわりやわりとそれを弄び、胸の頂が主張し始めた頃、なまえが僅かに身じろいで閉じられていたまぶたがひくりと反応する。起きたのだろうか「……なまえ?」名を呼ぶと、規則正しかった呼吸が微かに乱れた。
「……ここ、は?」
「起きたか、なまえ」
「っ!?み、みみ、み!」
二、三瞬きを繰り返し、掠れた声を出した。なまえは目の前の私を認識したようだ、目を見開きひどく動揺している、どうしたのだろうか。
「あ、れ!?な、なん、なんで私、服は……っ三成く、っあ」
「邪魔だったから取り払った」
ああ、そうか。相変わらず羞恥にまみれているのか、全く本当に愛らしい。
組み敷いていたなまえを持ち上げ、自分の上に跨らせる、未だに目を白黒させ意味のない音を口にしては逃げようとする。させるのものか。
なまえの秘部は十分に潤っている、すでに確認済みだ。もちろん私も用意は整っている、立ち上がろうとするなまえの腰を掴んで落とさせると丁度よく、そしてすんなりと私を受け入れた。
「み、つな、ん……あっ!」
「動け」
少しずつ深い場所で繋がる互いのもの、小刻みに震えるなまえをしかと押し留め、自分の腰をゆっくりと揺らした。
「え、あっ!やあああっああん、ひぅ!?」
「私を見ろ、もっと私を感じ、私に溺れ淫らに喘いでみせろ」
「な、そんっな、あ!だ、め……ぇ、あああん、やめ、あっあっそれ、やだあ!」
「ここか?羞恥など捨てろ、よがってみせろ、こんなに締め付けて離すまいと咥え込んでいるのはなまえの方だ、」
「ひ、あっやっ、三成く、」
「ふやけた顔を晒せ、全て見せろ」
「あああ!も、だめ、っ……あっひあ、ああ!」
▼
「……」
目が覚めたらそこになまえはいなかった、いや、最初からいなかったのだ。自宅のベッドの中、そう夢だった。こんなにもなまえを切望していたのか私は。ああ、まあ、悪くは……ない。
今思い返しても柔肌の感覚をはっきりと思い出せる、心地よい香りもした。
私は独り、己の熱く滾ってしまったそれにそっと手を添えた。
(く、なまえ……なまえっ!)
(っ!?なんだろう急に寒気が……)
20150527
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