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単位稼ぎのためだけに取った講義ほどクソつまんねえものはない、あくびを噛み殺しながら何の気なしに覗いたスマフォの画面、LINEアプリのアイコンにぽつんと通知バッヂが付いている。アプリを開いて中を確認すれば、通知があったのは俺となまえだけのLINEのグループ。眠気も何も途端に吹っ飛んで、目の前の画面に集中した。

そこになまえからのメッセージが入っていって、すぐさま内容を確認をすれば「講義、午前中で終わるんだよね?よかったら外でランチしない?」誘いの連絡がふきだしに囲われていた。

これは、デートか?デートだよな?デートだろ!

らしくなく浮かれ気味の俺はすぐに返事を打ち込んだ。デートのお誘いですか?喜んで。文面は努めて冷静を装っているが、内心はとんでもないことになっている、なまえとのデートに浮かれない方がどうかしてるだろ。


「なになに花宮、デート?」
「ガムで窒息しろくたばれ」
「最近花宮って俺にめっちゃ辛辣じゃね!?ひどくね!?」


隣でぴいぴいうるさい原に、壇上の教授が睨みをきかせた。すんませーん、と間延びした謝罪にはまるで反省の気がない。こっち見んな、勝手にスマフォを覗くな、俺にも謝れよ。地にひれ伏して額を擦り付けながら土下座しろ。窒息しろ息絶えろ。嫌な顔を全面に押し出しヒドイヒドイとのたまい、机に突っ伏した原は放置。シカトする以外にしてやることは何一つとしてない。つーか古橋のやつはどこいった、あいつもこの講義を取ってただろうが。

面倒な原の相手をさせやがってあいつもついでに窒息してしまえばいい、あとでシメてやる。

再びスマフォに視線を落とし、ホームボタンを押してバックライトを点灯させた。LINEのアイコンに再びバッヂが付いている、アプリのアイコンをタップして俺となまえだけのグループトークを見たら既読の文字。更に返事もきていた。「じゃあ講義が終わったら教えてね、迎えに行くから場所の指定してくれる?」と。

迎えにきてくれる……なまえが、俺を、わざわざ迎えにきてくれる、だとよ!ッフッハァ!盛大に笑い出したい衝動を「んぎゃっ!?」原をおもいきり蹴飛ばすことによって堪えた俺を誰でもいい、褒め称えろ。

すぐにわかりやすそうな場所を伝えると、なまえからすぐに了解の通知。おまけに可愛い花のスタンプがついてきて、心の底から癒された。今すぐにでも講義室を飛び出して待ち合わせ場所で待っていたい、なまえを待つ時間さえ愛おしいと思う俺は相当彼女に入れ込んでいる。

横でまた原が何か言っていたようだが完全にシャットアウトして、講義が終了したのと同時に俺はすぐに待ち合わせ場所へと向かった。

20150609
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