WJ | ナノ

!やらしい
!近親アレネタ


それでも俺は。どうにも私は。

お互い惹かれ合わずにはいられない、離れられない存在なのだ。


「ま、まこ、あっ、んぅ」
「は、っあ、なまえ、っ」
「あっそれっ、いい、きもち、い……っあン」
「ぅ、っばぁか、まだ、これから、だ……っ」


薄暗い部屋、ベッドを軋ませ息を乱す。肌のぶつかる音とやらしい水音が空間を支配、ギリギリまで引いた腰を一気に奥深くまで埋め、緩やかだった律動が次第に大きく早く、激しくなっていく。逃げ腰になっているところを押さえつけられ、昂った雄に何度も抉られる。

こんなにも苦しいのに、どうして心の底から幸せが溢れてくるのか。何もかもがどうでもよくなって、だた目の前の愛しい人から与えられる快楽に溺れ、とろけそうな気持ちになってくる。


「あっああっ、あ、んっ、」
「っ、は、やらしー顔……」
「ま、真もっ、きもち、よさそ、だよ?」
「……ふはっ、そーかよ」
「っ、はげし……っ」
「こういうのが、いいんだ、ろ?」


もつれ合ってどちらからともなく一瞬動きが止まると、ぐずぐずベッドへと沈んでいく。
しばらくは互いの乱れた呼吸と二人分の熱気だけを感じ、どちらからともなくすり寄る。何も言わなくてもどうしたいかわかるのは、だてに長い間一緒にいたからではない。産まれた時から嫌でも一緒にいざるを得ない双子の私たち。

いつから、どうしてこうなったのかはわからない。気が付いたら惹かれてた、どうしようもなく好きで愛おしくてたまらなかった。それが血の繋がりのせいなのか、育った環境のせいなのかはもう今となってはどうでもいい。
私たちが望むのは、ずっと一緒にいられること、それだけだ。

こんな関係が世間に露呈したら後ろ指を指されるのは必至、肉体関係を持つ双子がこの世にあとどれだけいるのかはわからない。昔だって近親婚はいたんだから現代にいてもなんら不思議ではない、けれども世間はそれを許さない。

だったらどうする?隠せばいい、ある程度の仲のいい双子だと表面を取り繕っていればいい。関係がバレて引き離されるより、ひた隠して一緒にいられる方がずっといい。
人前で手を繋ぐことも、抱きしめ合うことも、キスをすることもできなくていい。誰もいない場所で何ものにも邪魔をされないところでできればいいんだから。


「あ、っ……まこ」
「まだ、いけそうだな」


ぬるりと抜き取られた真のソレはまだ熱を帯びていて、私をうつ伏せにすると後ろから焦らすように擦り付けてくる。おとといから母親は出張で家を空けていて、私たちは好機とばかりに家中を締めきると、所構わず睦み合った。
ぴったりと寄り添って日がな一日身体を重ねては、特に言葉を交わさなくとも幸せを噛みしめることができた。たまには羽目を外したい、普段できないこともたくさんした。


「お、かあさ、帰ってきちゃ、あ」
「おふくろの居場所はGPSで常に把握済みだ、安心しろ」
「た、立てなくなっちゃう、からあ」
「これで最後だ」


焦らしてじわじわ追い詰めるようにするのが好きな真が、今はわずかに急ぐような素振りで入ってくる。慣らさなくともすでにとろけている私の方はただただ与えられる刺激に喘いで、いいように真に転がされるだけ。
うつ伏せの状態はお尻を突き出す格好が少し恥ずかしいけれど、真に攻め立てられているうちに羞恥心もどこかへ行ってしまう。顔を枕に埋めてくぐもった喘ぎ声、腰を掴まれ深いところまで何度も突かれる。

真が覆い被さり首筋に吐息がかかってくすぐったい、浅くなった呼吸に真も限界が近いようだと悟る。

私が限界を迎えたすぐ後に真も苦しげに低く呻いて、覆い被さったまま体重をかけてきた。握り込まれるように両手を絡められ、整わない呼吸のままどちらからともなくキスをした。


「真、この体勢きつい」
「ああ、ほら」
「ね、もうこんな時間、薄暗いけど真の腹筋のやばさ具合ははっきりわかるね、なぞっていい?」
「っおい、聞く前にやるな、こっちは片しといてやるからなまえ先に風呂行け」
「まこちゃんかわいー!」
「もっかい襲うぞ」
「はいはい退散退散」


ずっとこのままでいられたらいいのに。
ふと込み上げてくる不安と切なさ、もしかしたら顔に出ていたのかもしれない。


「手離す気なんかさらさらねえよ、バァカ」


小突かれて、笑われた。それだけで不安もなにも吹き飛んでいくから不思議だ。ずっと一緒にいたい、じゃなくてずっと一緒にいられるように画策する。真と私の頭を持ってすればどうにでもなるだろうしね、ふは。

20160521
 / 

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -