WJ | ナノ

仕事から帰って玄関を開けた瞬間綺麗な金髪が現れて足元が掬われた、文字通り浮いた。「うおっ!?」女性らしからぬ声も出た、ちょっと野太い感じのあれ。恥ずかしいと思う間もなく抱き上げられたことに気付いた時にはもうソファに降ろされて、ぎゅうぎゅう抱きしめられている。現在進行形、なう、ってやつ。


「なまえっち遅すぎッスよー!俺ちょー寂しかったんスからね、寂しすぎてなまえっちのベッド借りてヌいてたんスけど全然物足りなくってどうにかなっちゃいそ」
「涼太」
「なんスか?」
「私のベッドで?」


ヌいたッス!なあんてそんな自慢げにシャラシャラした笑顔で暴露されても困るんだけど。更に困ったことに、私の名前を喘ぎながら連呼してる姿が容易く想像できてしまうのがまたなんとも……。イケメンだからこそ許されるんだろうけど、ああいや行為自体は許し難いが、絵的にはギリギリセーフ、いやでもやっぱりアウトかなあ。


「大丈夫、汚すなんてヘマはしてないんで!」
「それはとてもありがたいことね」
「俺偉い?ねえねえなまえっち、俺偉い?」
「偉い偉い、じゃあご褒美でもあげようか」
「うっわちょー嬉しいッス!ご褒美ってなにくれるんスか?」
「目を閉じたら心の中で3秒数えて、そしたら目を開けてごらん」
「りょーかいッス」


涼太は素直にぎゅっと目を閉じて「さーん、にーい、いーちっ」カウントダウンを始めた、心の中でって言ったのに。まあいっか。私は涼太の目の前、鼻先ギリギリまで顔を近付けて目を開けるのを待つ。


「数えたッスよなまえっち、目、開け」


涼太が目を開けたのと同時におしゃべりが過ぎる唇を塞いでやった、まさかキスだとは思っていなかったらしくてこれでもかってほどに目を見開いている。それもすぐにとろりととろけたような眼差しに変わって、なされるがまま。


「……それ、ちょーずるいッス」
「やだった?」
「むしろもっと、ってなっちゃう」


熱のこもった視線がもっと早くと訴えている。


「涼太、まだ待て、だよ」
「えええ……なまえっちー」


はてさてどこまで耐えられるかしら。

20151004
 / 

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -