WJ | ナノ

※ほぼ会話文

俺の彼女を紹介してやる。
従順、可愛い、目に入れても痛くない、食っちまいたい、以上。


「紹介早っ!早いけど単純明快に伝えたいことぎゅーっと凝縮されとってたまげるわー」
「……」
「紹介ゆーても元々はワシが紹介したったようなもんやけどな」
「うるせえな、手ェ出したらぶっ殺す」
「おーこわ、久々に会うてこれやからなあ、なまえもこんなんに気に入られてもーて労しや労しや」
「あんた……今すぐにでもぶっ殺してやろうか」
「ほんで、肝心のなまえは?」
「誰が会わせるか」
「おー冷た!お前となまえのキューピッドになんたる仕打ち!ひどいわー泣けるわー、なあなまえなんか言ったってやー」
「イマキチさんお久しです〜」
「な、おいなまえ!なんでお前、家で待ってろって……!」
「だって花宮先輩遅いーもしかしたら熊に襲われちゃったのかもって思って助けに来ました」
「相変わらずぶっ飛んだ発想やなあ、それよりワシ、イマキチちゃうでー、イマヨシやイマヨシ、いい加減覚えよなー?」
「なんで俺が突然熊に襲われなきゃなんねえんだ、そもそもこんなとこに熊なんか出ねえよバァカ」
「でもほらもしもってことも!」
「ねえっつってんだろ」
「……」
「……」
「……ふえ、っ」
「っ!?」
「あー泣かしたー花宮がなまえ泣かしたでーひどいカレシやなあ、こんなひっどーいカレシより今吉サンカレシにしーひん?優しくしたるで?」
「黙れ妖怪なまえに触るな、おい泣くな、泣くなってなまえ、悪かった俺が悪かった」
(おおお、あの花宮が謝りよった!)
「……心配だったんですもん、花宮先輩ってば野暮用済ませてくるって言うだけですし、とにかくすぐ戻るから待ってろって……行き先だけでも言ってくれればいいのに……くすん」
「ああ悪かった、そうだな行き先だけでも言っときゃよかったな、だがこの妖怪が話し掛けてさえこなけりゃもっと早く帰れたんだ、よって謝れなまえに謝れ今吉サンよお!」
「えええワシのせいー!?」
「そっか、イマキチさんのせいだったんですか」
「ちゃうで!全然俺せいじゃあれへんで!つかイマヨシやって!」
「ところで花宮先輩」
「あ?」
「行き先はどこだったんですか?」
「……」
(うわ珍し!あの花宮が焦っとる!)
「……ドラッグストア」
(ものっそ小ちゃい声ー!?ドラッグストアて……まさか花宮お前アレ買うたんかー!?なまえとナニするつもりなんー!?)
「ドラッグストア?え?何しに?」
(なまえ突っ込んだー!それ聞いたらアカンやつやー!どうくる?花宮どうくる?)
「コ、コン……」
(あ、あ、あかーん!)
「コン……タクトレンズの、ほら、あれだ」
「あ、私のケースがどっかいっちゃったの、覚えててくれてたんですか?」
(こじ付けたアアア!)
「あ、ああ、まあな」
「なあんだ、そうだったんですかあ、それならそうと言ってくれたらいいのに」
「……ふん」
「てっきりコンドーム買いに行かれたのかと思ってたのですが」
「っ!?」
(じゅ純情そうななまえの口からエライ単語出よったアアア!)
「は……ハァアアア?ンなわけねねねねえだろブァーカ!」
(それよか花宮が焦りすぎてオモロイことになっとる!)
「えーちょっぴり期待して損しちゃいました〜」
「え……き、きた、期待……ば、バァアアアアカ!なまえが言うならいくらでも買ってきてやるよバァアアアアカ!」
「は、花宮アアア!?」
「やーん花宮先輩のえっちー!」


純情系な顔をして意外と言うんやなあこの子、今吉がなまえの中身を改めて認識していたのと同時に、俺はなまえがこんなにも俺を求め俺を欲していたことに気付けなかったことを深く深く後悔していた。(トドのつまりなまえも花宮と似たモン同士っちゅうこっちゃ)

20140513
 / 

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -