よし決めた、次の授業もサボろう。
化学準備室にて籠城、特別教室が多く並ぶこの棟、この時間に使う授業がないことくらいリサーチ済み。鍵もかけたし絶対誰にも見つからない、ああそうだとも絶対に見つからない自信があった、3秒くらい前までは。
「あわわわわ」
「……」
「小窓が開いてたなんて!」
「ぶっ殺……いや、犯す」
「ひい!物騒なこと言い出して言い直したけど結局物騒!もっと違うタイミングで経験したかった壁ドンンンン、誰かー!」
「うるせえな、誰も来ねえことくらい自分でわかってんだろバァカ」
「ごめんなさいごめんなさいもうしないからー!黒板にゲス宮くんのゲス可愛い似顔絵描いてごめんなさいいい!」
「犯し尽くしてやる」
「物騒レヴェルがアップしちゃったー!」
初めて体験した壁ドンに血の気が引いた。こんなに心臓が破裂しそうになるんですね壁ドンって。もう二度と体験したくない、壁ドンこわい。
私は今朝、教室に入る際にすれ違った同じクラスの花宮くんに肩パンを食らった、魔が差したのだろうか、優等生で有名だっただけに非常に驚いている。彼には裏の顔があった、とんでもなくゲスな裏の顔が。
肩パンが地味に痛くて、おまけに聞き逃しそうになるほどの小さな声で邪魔だって言われたらイラっとするじゃない、私はイラっとした。
だからお返しに移動教室の時、誰もいないのを見計らって黒板にでかでかと花宮くんのお顔を描いて差し上げた。肩パンされた時のゲス顔を忠実に。らくがきは得意だ、なかなかの仕上がりに満足して写メも撮っておいた。
移動教室は二つのグループに分かれて別々の教室で授業をする、幸いなことに私と花宮くんは別グループなので、私が授業をサボっても花宮くんにバレることはない。だから油断していたのだ。
「てめえと同じグループのやつに授業サボったやつはいねえかって聞きゃすぐにバレんだろバァカ」
「ウワアア初歩的ミス犯してたー!」
「あ?早く犯されたい?」
「ひどい聞き間違い!」
「お望み通り、たーっぷり楽しもうね?」
にっこりと貼り付けた優等生スマイルが怖かった、女の子だし、はしたないとは思うけどぶっちゃけちびりそうなくらい怖かった。
その後ギリギリをすり抜けて3時間くらいデッドオアアライブ鬼ごっこを楽しみました。主に花宮くんが。
20150510
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