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床に押さえつけられて、背中と手首が地味に痛い。制服が汚れる心配は全くないので問題ない。(生徒会室はいつもきれいだ)鍛えている彼の力は通常の男子高校生よりもいくらか強いのだ。おっと考察している場合じゃないぞ。


「つ、椿くーん?」
「……」
「おーい、聞こえてるかなー?おーい」
「……すきだ」
「ほわい!?」
「すきだ、なまえ……あいしてる」
「ちょおおお!椿くん椿くん椿くん!待て待てストップストーップ、これ以上はやばいから生徒会室でこれ以上はほんと危険極まりな、ひえええ!」


誰もいない生徒会室、こういう時に限って誰もいない生徒会室!会長は仕方ないとしてもデイジーちゃんとかミモリンどこ行ったの。ミチルさん……も期待はしてないからどいでもいい。


「椿くん落ち着こ?とりあえず落ち着こう!」
「僕は、なまえと愛し合っていたい……」
「椿くんんんん!」


首筋に擦り寄られ、僅かに乱れた吐息がぞわぞわとおかしな気分にさせてくる。流されてはいけないとわかっていてもどうしようもない力の差で試合終了になりそうだから恐ろしい。
そもそもボッスンが変な液体を椿くんに被せたりするかたこんなことになってしまっているんだ、責任を取ってほしい。早急に……いやだめだ、今はダメだタイミングが悪すぎる。


「好きすぎておかしくなりそうだ……」
「おかしい!椿くんは今すでにおかしいんだよ!正気を取り戻そうよ椿く」


やんわりと噛まれた首筋に言葉を失い、身体を強張らせた瞬間椿くんの整ったお顔が急接近、瞬く間に唇同士が触れ合って呼吸が止まる。
いつもの椿くんではない椿くんにキスをされてしまいました、しかも学校で、生徒会室で!快挙!ああ、いや不謹慎不謹慎。


「よー椿いるかー?解毒ざ」


深く何度も角度を変えられながら繰り返されるキスの最中に段々と思考がふやけてくる。そんな折にタイミングがいいのか悪いのか、ボッスンが生徒会室の扉を開け放ってくださりお取込み中の私たちを見て固まっている。
ちゅ、ともったいぶるようにして唇を離した椿くんは挑発的な眼差しをボッスンに向けた。私はぜいぜいと息を切らしつつもボッスンに「早く助けて!」と視線を送る、どう切り出したらいいものかと視線を彷徨わせながらボッスンは意味のない音ばかりを口から吐き出した。

いつものノリで椿くんの口に解毒剤ブッ込めばいいのに!もたもたしているせいで、椿くんはボッスンがいるにもかかわらず再び私にキスをかまそうとしているではないか!


「ちょ、椿く……!や、ボッスン!ボッスンいるから!いやいるいないの問題じゃないっていうか……ボッスン解毒剤!」
「あ、ワリ、そのえっとなんかお取り込み中に俺、えっと、あの、うんと……」
「恥ずかしがらなくていいんだなまえ、見せつければいい、なまえは僕のものだ、藤崎」
「あっハイッ!」
「いいか、なまえは、僕のものだ」
「お、おう!そうだな!邪魔したな!」
「ボッスンンンン!解毒剤置いていこうよおおお!」
「僕というものが目の前にありながら他の男の名前を呼ぶなんてなまえは悪い子だ」


もうおしまいだ!
こんなぐいぐいくる椿くんはいや……ではないんだけど、決して嫌いなわけではないんだけど人前ではちょっと困っちゃう。ああもうどうしましょう!

Happy Birthday 椿くん!
20151111
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