ベッドには乗らず、しなだれかかりながらうとうとしていた昼下がり、昼食を終えたばかりで幸せなこの瞬間。真っ盛りの夏にしては随分と涼しい今日、太陽が雲の中でしばらくお休みしてるんだ。
お昼休み、私と一緒。
瞼が重く上瞼と下瞼が完全に寄り添いそうになった時、腰の少し上辺りに違和感を感じた。七分丈のカーゴパンツとゆったりしたTシャツが、 本日私のコーディネート。
そのTシャツの隙間から侵入してきたものに一瞬不快感を覚えたものの、すぐに違う感覚を与えてくる、這うように上へ上へと蠢くそれは背後にぴったりと寄り添っている周泰さんの手。
重たい瞼を持ち上げながらゆるゆる顔を周泰さんの方へ向ける、絡んだ視線は熱を帯びているようでひどく暑苦しく感じた。
「周泰さん、手」
「……」
やめてください、という意味を込めて言ったのだが彼は察してくれなかった、いやむしろあえて察しようとしなかった、と言った方が正しいだろう。私の言葉を無視して、今度はもう片方の手でTシャツをめくり上げる。
大きな手のひらが私の申し訳ない程度の胸を包む、指先が下から持ち上げるようにしてやわやわと動く。
周泰さんの手は大きいから余計に私の胸が小さいことをむざむざと思い知らされる、悲しくなるからやめてください。
「大きさは、気にしてない」
「口に出して言われると余計に惨めになるんで」
「上より下か」
「昼間っから盛るのも勘弁してください」
するすると足元に移動する手をどけようとしたが周泰さんはそれを更に妨害する、私の両足の間に自分の半身を捻じ込んできた。
閉じられなくなった無防備な足元、内腿を撫でられて反応してしまう身体が憎い、内腿を這う手がじわじわ上へと上ってくる、執拗に足の付け根を撫でる周泰さんの趣味ははっきり言って悪いと思う。
「耐えられなくなったら、言え」
「悪趣味にもほどが……んっ」
にやりと笑われた。
悔しい、意地でも耐えてやる。
20130826
20200422修正
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