寝ぐせがついたままでキスを待っている文鴦を妄想してみよう。 http://shindanmaker.com/124702
目覚ましが鳴る前に目が覚めた。
頭もすっきりしていたし、よく眠れていたんだろう、すぐ横には未だに寝息を立てている文鴦がいて、飛び抜けて高い長身のわりにはあどけない寝顔。
しばらく無防備な寝顔をじっくり観察してから起き出した、文鴦を起こさないようにそっとベッドを抜け出してキッチンへ。
今日の朝ごはんは何がいいかな、とりあえず卵を取り出してフライパンを用意する。ポットのお湯を沸かしながらトースターにパンをセット。
どうせ今日は休日だし、好きなだけ寝かせておいてあげよう。一日中家の中でダラダラ過ごすのもたまにはいいよね。
あ、でも私だけ先に朝ごはん食べちゃうのはちょっと気が引ける、一応文鴦にも聞くだけ聞いておこうか。
一旦ガスもトースターも切って、寝室へと戻ると今し方起き出したらしい文鴦がベッドの上で俯き加減に座り込んでいた。
「文鴦、おはよ」
「……おはよ、ございます」
「朝ごはん食べようと思うんだけど、どう?」
寝起きで掠れた声がなんとも言えず色っぽい、文鴦は私をじっと見つめると、少し考え込むような仕草を見せて、ちょいちょいと手招き。
なあに?とベッドへと近付いて文鴦の横に腰掛けた、普段から少しだけ外ハネ気味の艶やかな黒髪は3割り増しであっちこっち好き勝手に跳ねている。
見つめ合って数秒、僅かに首を傾けて文鴦はずい、と顔を近付けてきた。言葉がなくても意図は十分理解できる、おはようのチューが欲しいそうだ。
「しょーがないなあ、もう」
じっと待ってる姿はまるで忠犬、文鴦の頬に両手を添えて、ゆっくりと唇を押し付け軽く食んでから、またゆっくりと離す。
存外文鴦には甘ちゃんな私なので、二人きりの時は文鴦もめいっぱい甘え倒してくる。
「朝食はなまえさんを頂いてからにします」
「ぶんお、っんう!」
よし、と言われた忠犬文鴦。
忠犬の皮を脱ぎ捨てて狼に変身しました。
20141015
20200421修正
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