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軍議の席でまたあの二人が鬼気迫る表情で、似たような発言を押し通そうと躍起になっていた。まかり通らせるわけにはいかない、今回の計略は絶対に。

「天気良好!乾燥した気候!ここは絶対火計にすべきだ!」
「次の戦で火計はなしって前回言ったよね?」
「前回よりもよく燃える!そう気付いた時から今回の計略も火計に決まりだ!」
「他の策との連携を省みろ、少しは気を遣え」
「俺はいつだって全力でいくって決めているんだ、信念は曲げない!」
「いやそれ信念じゃないし、ただのムチャぶりだから」

長机をばんばん叩いて主張を貫き通そうとする朱然、自他共に認める熱い男、正直鬱陶しい、俺に構うと火傷するぜ!と意味不明なことを真顔で言ってのける、頭の造りが少々残念な人だ。
その横ではやはり同じような主張を貫き通そうとする陸遜が控えていて、目は既に炎の幻影を見ているかのようにめらめら燃えたぎっている。
着火数秒前とでも言えそうな雰囲気だ、させませんけれどもね!

「落ち着いてください朱然殿」
「いや陸遜が一番落ち着こうね、火種を懐から取り出さなくていいから、なにするつもりなの、今軍議中!」

殿を初めとする諸将の皆さんの表情を見てみろ、憔悴しきってものすごく帰たそうにしている。呂蒙殿に至ってはもはや死に体、「おや、顔色が優れませんね呂蒙殿」「厠か?」じゃねーよお前達のせいだよ!胃痛に苛まれてるんだよ!

「とにかく今回は水計だと何度も!」
「み、水だと!?冗談が過ぎる!」
「私は泳げませんので水はきらいです」
「あ、俺も俺も!」
「ですので水計は却下の方向で」
「……こいつら刑罰の時は絶対水責めにしてやろ」

私は今日も頭が痛い!

201406023
20200421修正
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