胸の中のざわつきが日増しに大きく増えていく、なまえがそばにいて私だけを見ている時は、満たされてなんともないというのに……。
そばにいてくれないと落ち着かない、食事なんて普段忘れてしまう時よりもっと喉を通らない、誰の言葉も頭に入ってこない。
ぼんやりしている時間は常になまえのことで頭がいっぱいだ。
私ではない誰かと話しているのを見るのもいやだ、なまえが私の知らない人の名前を口にするのも、私の視界からいなくなるのも、ぜんぶ、ぜんぶ、ぜんぶ!
私だけがなまえを知っていればいい、なまえも私だけを見て知って愛せばいい。
「……させない」
私からなまえの笑顔を奪うこと。あの微笑みを向けられるのは私だけでいい、触れることも触れられることも、しゃべるのも話しかけられることも……。
いっそのこと閉じ込めてしまえばいいのかもしれない、きっとなまえもそれを望んでいるだろうし、快く受け入れてくれる、うん、絶対そうだ。
なまえは私を愛してる。
なまえは私とずっと一緒。
なまえは私を拒まない。
全てを受け入れてくれる、私のために何もかもを投げ打ってくれる、そうでなければ、おかしいんだ。
「……逃がさない、ぜったい」
今、迎えに行くから、待ってて、なまえ。
嫁がせてなんかやらない
20141015
20200421修正
← /
→