short | ナノ
呻いて咳き込むたびに深くなる笑みにぞっとした、悪趣味もいいところ、とんだ変態である。そんな性癖聞いてない。「……言っていない」なあんてぬけぬけとよくもまあ言えたものですね、と嫌味をふんだんに盛り込んで言いたいところだけれど、大きな掌で首をすっぽり包まれて気道を締められつつあるからしゃべるにしゃべれない。

ぐらぐらぶれだす視界に映るのはずば抜けた長身に良すぎる体躯を持つ周泰。

一見物静かで寡黙な印象を受ける彼だが所詮そんなものはまやかしでしかなかった、だいぶ変わった嗜好の持ち主であることが初夜で発覚し、今に至る。つまるところ、身体を重ねた際、達しそうになる直前で周泰は私の首を緩く締め上げてくるのだ。
ただでさえ苦しいというのに更に追い立てられて死に体もいいところ、苦しくて呻きながらも喘ぐ私を見て悦んでは興奮さめやらぬ状態で二回三回と続くものだから……。


「……いい、眺めだ」
「こ、ンの、ばか……っ」
「……今日は、余裕がありそうだ」
「……っは、あ?ふざけ、っ!?」


ぐぐ、と大きな手のひらに力が込められ下半身の律動も合わせて早く大きくなる、声すらも出せないほどの感覚に眩暈にも似たものを感じ、成されるがまま。もうどうにでもして。
周泰のこんな生き生きとした表情は滅多に見られる代物ではないけれど、まじまじと観察できる余裕は微塵もない。

20150808
 / 
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -