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階段の下に文鴦を見つけた。

「ぶーんおっ!」
「え?」
「とりゃっ」
「なっ、え!?なまえさ……!」

名前を呼べば彼はすぐに気付いてくれてこちらを向いた、勢いをつけて階段の上から飛び立つ私。アイキャンフラーイ!文鴦目掛けてダイビング、たれ気味の目をこれでもかと見開いて文鴦が慌てて両手を伸ばしてくる。
ガッ!とたくましい両腕にすっぽりと収まり、文鴦にナイスキャーッチ!と親指を立てた。

「っ!あなたと言う人は……本当に……」
「文鴦なら絶対受け止めてくれるって知ってた」
「寿命が縮む思いです、やめてください」
「心配性だなあ、もう」

文鴦に抱っこされたままふくふく笑う、調子に乗って抱きつくように首に腕を回しせば、文鴦は焦ったように周囲を見回し始めた。
こんなところで、とか私は全然気にしてないよ。

「そういう問題では……」
「細かいことは気にしてなーい、ほら今日はハロウィンだし?トリックオアトリート!はい私からは飴ちゃんをあげちゃいまーす」

すかさずポケットからあらかじめ用意しておいた飴玉を、薄く開いた文鴦の唇にねじ込む。されるがまま飴玉を口に含んで、ふわり漂う甘い香り。
続けざまに自分の唇を押し付ければ文鴦はくぐもった声を漏らした。わざとらしく音を立てて唇を離し、甘い悪戯と称しておく。

「なまえさん……っ」

ぶわりと真っ赤に染まった頬、甘い甘いキス、もう一度いかがと聞いただけで文鴦は更に頬を紅潮させた。可愛い人。

7thハロウィンフリリクのサルベージ
20150123
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