小話 | ナノ

※ちょっと大人になったミツキと年上主。

七代目より直々に仰せつかった用件。とても重要で大事なことだと聞き及びました。

一人預かって欲しいやつがいるってばよ、と突然申されまして、いつからですかと問えば今だと仰る。いつまでですかと問うと、わりとしばらく?なんて疑問で返された時にはため息も出ませんて。

最初こそ戸惑いを隠せずにいましたけれどももうすっかり慣れたものである。


「ミツキー、ほら起きて起きて、今日は私ももう任務に行かなきゃだから!」
「ん……」
「こーの寝坊助さんめ、だから昨日早く寝なさいって言ったのに」
「……なまえが、素直に一緒に寝てくれないからですよ」
「あなた普通に寝ようとしないじゃない」
「僕はただ寂しそうにしているなまえを慰めようと思ってただけです、全てにおいて慰めようと」
「……何かと思えば」
「大事なことなので二回言いました」
「一丁前にまったくもう」
「僕ももう18です、身長だって昔に比べればなまえをとっくに追い越した」
「身長だけはね」
「年の差なんて関係ない、僕はいつだってなまえと対等にありたい」


あの七代目の言葉を聞いてから5年も経った、預かった当初は可愛らしいという言葉がぴったり似合ったミツキも、もう18歳。彼の言うようにいつの間にか身長も追い越されていた。
実力はまだまだ私の方が上だけど。それでも油断は禁物で、私はミツキにいたく気に入られたようなのだ。


「早く僕のものになってくれればいいのに」
「300年早い」
「ゼロの数がおかしい」
「からかう方が悪い」
「からかってません」


似たような押し問答、今はまだ、この距離が丁度いい。

20151118
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